同級王者勅使河原弘晶(27=輪島功一)が初防衛に成功した。同級7位ジェイソン・カノイ(27=フィリピン)との対戦。初回から攻勢を仕掛けるも再三パンチをもらい、互角の展開になった。6回に左ボディーからチャンスをつかむもダウンを奪えず。その後も反撃も浴びて判定となったが、2~4ポイント差の3-0でベルトを守った。

 勅使河原は初回に右ストレートを3発もらい、「1分ぐらい意識もうろうとなった。ボディーも効かされていた。悔しくて悔しくて。自分にカツを入れながら戦っていた」という。カノイは世界王者井上のスパーリング・パートナーを務め、過去36戦で1度もKO負けがない。「ボディワークもいい」と、このタフな相手に苦しめられた。

 前日計量の際に、カノイから食べていたゆで卵を1個もらった。「いいやつだなと。優しさが出てしまった。ゆで卵でやられました」と笑った。昨年10月に29年目でジムにとって初の王者になった。「身に染みたが、勝って反省できたのでよかった」と胸をなで下ろした。輪島会長も「欲がない。相手が怖くてもいかないと。勇気がなかった」と厳しかった。