ボクシングのダブル世界戦(15日、横浜アリーナ)の前日計量が14日、都内で行われ、16連続KO勝利の日本記録がかかるWBC世界フライ級王者の比嘉大吾(22=白井・具志堅)は午後1時からの1回目で制限体重の50・8キロを900グラムオーバーした。2時間の猶予の間にパスすればクリアとなったが、午後2時半過ぎに計量会場に具志堅用高会長が1人で現れ、ギブアップする意志を伝えた。この時点で王座剥奪となった。過去、日本人王者が計量失格となったケースはない。具志堅会長は「本当に申し訳ございません」と頭を下げた。

 3度目の防衛戦だった比嘉は軽量級では際立つ筋肉の持ち主で、ここ数戦は毎試合で減量苦があった。13日の公式会見では「今回も1ラウンドから全力で倒しにいきます」と述べていたが、ひげを伸ばした表情に覇気はなく、体調面での心配が募っていた。この日も生気がない顔つきだった。

 挑戦者の同級2位クリストファー・ロサレス(ニカラグア)は50・5キロで一発パスした。WBC、JBC(日本ボクシングコミッション)、両陣営で協議した結果、試合は行う方針。当日午前8時からリミットから10ポンド超えの122ポンド(55・3キロ)を上限にした当日計量を設け、比嘉がクリアした場合はタイトル戦が行われる。その場合は比嘉が勝利すれば王座は空位、ロサレスが勝利した場合のみベルトが移動する。