同級3位船井龍一(33=ワタナベ)が鮮やかに2回TKOで、世界初挑戦の切符をつかんだ。同級7位ビクター・エマニュエル・オリボ(メキシコ)との対戦。2度ダウンさせて2回2分9秒TKO勝ち。9月に6度目の防衛に成功した同級王者ジェルウィン・アンカハス(26=フィリピン)への挑戦権を得た。

鮮烈だった。2回にワンツーを繰り出すと、強烈な右ストレートがヒット。相手は立ち上がったがフラフラだった。ファイティングポーズを取って、試合再開されたが、連打で左フックを打ち込むと横倒しに。即座にレフェリーストップとなった。船井は「ワンツーのタイミングがよかった。手応えはあり、過去最高によかった。出来過ぎだけど」と満面の笑みだった。

38戦目にして初めてのメキシコ人相手。「タイミングとかが違うと聞くので、3回ぐらいまでは様子見しようと思った」という。初回は相手のうまさに強さを見せられ、セコンドが「手を出していこう」と指示。船井も「調子乗らせるとまずい。ペースやリズムは分かった」と攻めていった。その最初の攻撃で仕留めたも同然だった。

昨年3月に3度目のタイトル挑戦で、やっと日本王座に就いた。同級生だった王者中川を破ると勢いづき、今年6月の前回はWBOアジア太平洋王座も獲得。1カ月前に決まったこの試合で、一気に世界挑戦のチャンスをつかんだ。

すでにサウスポーの王者アンカハスの映像も見て研究している。船井は「左に苦手意識はない。いい流れになっている。このまま世界をとる」と宣言。渡辺会長は「すぐに交渉に入る。日本でやりたいが海外でもいい。来年に、半年以内にはやりたい」とすぐに交渉にはいるという。