念願の対戦実現も、力は及ばず。DDTのスーパー・ササダンゴ・マシン(43)、男色ディーノ(44)組が、ノアの杉浦貴(51)、桜庭和志(51)組に完敗した。

あらゆる作戦を出し尽くしたが、全く歯が立たなかった。入場後には大画面で“攻略法”を自ら解説。「ふざけたプロレスをしているやつらを相手にしない」と言われていた杉浦に対し「ふざけたプロレスに付き合ったり、笑ってしまうと我々の勝ちだと思う」と挑戦状をたたきつけた。さらに「多様な価値観を認め合うのがSDGs。まさに自分こそがSDGs」と意味不明な持論を展開した。

「俺たちの信じてきた20年のプロレス」をぶつけるため、用意していた3つの作戦はすべて失敗に終わった。ぐるぐるバットはすぐに杉浦に殴られ、ディーノは桜庭の好きな常盤貴子のお面で誘惑したが、足をキメられもがき苦しんだ。最後のパンスト対決では、ササダンゴが杉浦にかぶせることは成功したものの、そのまま五輪予選スラムを食らい、3カウントを奪われた。勝利後、バックステージでパンスト姿で現れた杉浦は「20年やってきて、こんな恥ずかしい思いをしたのは初めて。前が見えないよ。銀行強盗よくできますね」と話し、会場を後にした。コメントでも“敗戦”のササダンゴは「作戦に乗っかった上で、俺たちよりもクオリティーの高いパンストかぶりをされた」と悔しがった。

3度に渡る粘り強い交渉で実現した対戦。挑戦表明をした杉浦からはSNS等で「交渉はしない。会わない」と否定され続けていたが、諦めなかった。5月15日後楽園大会ではノアのスタッフから「チケットを持っていないから入れない」と門前払い。交渉の機会すら与えられなかった。同22日横浜大会ではチケットを購入して来場したが、試合に出ないことを知ってまたも“玉砕”。杉浦がアレルギーだと言った「笹(ささ)団子と桜庭がCM出演しているアレルギー薬」を差し入れして去った。

31日後楽園大会で再び登場。今度はタイトルマッチを終えたばかりの2人のもとを訪れ、ぐるぐるバットデスマッチ(A)か、ベルトを掛けた対決(B)の2案を提示し「どちらか選んでください」と直談判。「いつ誰の挑戦も受けるぞ」とB案でようやく受け入れられた。地元・新潟から足しげく通い、やっとのことで勝ち取った対戦も、いいところなく撃沈した。

「ノアも、DDTも盛り上げたい」という一心でリングに上がったササダンゴ。「ノアも杉浦軍も大きかった」と完敗を認め、悲しそうに引き揚げていった。【松熊洋介】