フェザー級タイトルマッチで挑戦者の牛久絢太郎(26=K-Clann)が王者斎藤裕(34=パラエストラ小岩)をドクターストップによる2回TKOで撃破し、RIZIN初参戦で初タイトルを奪取した。

1回は王者の巧みな試合運びに苦しみ、防戦一方。強烈な打撃を受けた右目付近は赤く腫れ上がったが、耐え抜いた。2回4分26秒、相手が重心を低くした一瞬の隙を狙った。作戦通りの左膝飛び蹴りを、顔面にヒット。斎藤は右目上部から流血し、試合続行が不可と判断された。

DEEPフェザー級王者がRIZINのフェザー級王者の座もつかみ取った。新王者は「DEEPからきました牛久絢太郎です」と拍手の鳴りやまない会場で、改めて自己紹介。「この試合を組んでいただいた関係者の皆さん。そしてなにより、チャンピオン。ありがとうございました」と敬意を表した。

悔しさを糧にした。朝倉未来が2日に、斎藤への挑戦を表明。大みそか大会は、斎藤と朝倉のタイトルマッチが既定路線であるかのような世間の評判に、じくじたる思いを抱いていた。だが、自分を信じ抜いた。「思い切って挑戦した。信じ続けて頑張ればいいこともあるんだな」と涙を浮かべ「悩みを感じている人。自分を信じればどんな下馬評でもくつがえせる」と力強く話した。

勝利を報告したい人がいる。試合後、これからしたいことについて問われると「今日は真っ先に家に帰ろうと思います」とにっこり。「母親が家で心配して待っている。顔を見せることで安心してもらいたい」と柔らかな表情で話した。