アナスタシア・スヴェッキスカ(24=SubHunter/Puncher Fight club)が、母国ウクライナの国旗を掲げてリング上を駆け回った。

この日開幕した「RIZIN WORLD GP2022スーパーアトム級(49キロ契約体重)トーナメント」1回戦で、シュートボクシングの絶対女王RENA(31=シュートボクシング/シーザージム)と対戦。1回に右のカウンターを食らいダウンを奪われるも、強烈なハングリー精神を示し、最後まで激しい殴り合いを展開した。判定0-3で敗戦も、存在感を示した。

戦火にあるウクライナから約1週間をかけて初来日を果たした。自身が住むキーウは毎日のようにサイレンが鳴り響き、爆撃が行われている。大会前には「戦争が始まってから2カ月間は、誰もが我を忘れてぼうぜん自失。私もその一人でした」と、顔を曇らせながら話した。戦争が始まった際には、すべてのジムが閉鎖された。トレーニングができない状態が続いていたという。

それでも、今大会に出場を決めたのは「このままでいることはできない」という強い意志があったから。「避難していた人たちも、だんだん戻ってきています。日常生活を早く再開したいという気持ちで戻ってきた。お互い助け合ってこの難関を乗り越えていきたい」と誓った。

母国へ勝利を届けることはできなかったが、試合後にはウクライナの国旗を掲げた。「国に対しての私の責務と課題。そこに全力を尽くしていきたいと思っています」と話した通り、最後まで全力で戦い抜いた。

169センチの長身から繰り出される打撃が魅力。アマチュアでは圧倒的な戦績を残し、昨年12月にプロデビューを果たしたばかりだが、いずれもTKOで飾っている。トーナメントは1回戦で脱落となってしまったが、日本の格闘技ファンの心をしっかりとつかんでいた。

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