WBC世界ミニマム級3位重岡優大(26=ワタナベ)が世界初挑戦で世界王座奪取に成功した。
同級7位の元WBO世界同級王者ウィルフレド・メンデス(26=プエルトリコ)とのWBC同級暫定王座決定戦に鮮やかな7回KO勝ち。先の試合で弟の重岡銀次朗(23=ワタナベ)がIBF世界ミニマム級暫定王座決定戦に勝利しており、国内初の「兄弟同時世界王座獲得」という偉業を達成した。
WBC世界ミニマム級暫定王者決定戦
重岡優大 | ○ | 7回 KO | × | ウィルフレド・メンデス |
◆試合経過
入場
重岡優大は、王座を獲得したばかりの弟・銀次朗をセコンドに伴って出陣。銀髪、銀色のガウン、銀色のトランクス、銀色のグローブで身を固めた。メンデスは、赤いTシャツ姿。赤いトランクスは側面が大きく開いており、素早いステップワークに適した仕様のものでリングインした。
1R
ともにサウスポースタイルの対戦。優大は右を伸ばした状態で、プレッシャーをかけていく。離れぎわで強烈なパンチを放つ。メンデスは足を使いながらじっくりと様子を見る。優大は終了間際に左ストレートを顔面に当てるも、浅い。
2R
優大は再びプレッシャーをかけるが、手数が少ない。メンデスは上体を揺らしながら、ワンツー、左ストレートを伸ばしていく。メンデスはロープにつまるとクリンチで相手の攻撃をストップ。優大は強いパンチを狙うが、ヒットはほとんどない。
3R
メンデスが手数を出しながら、軽快にステップを使って距離をつかみ始める。優大は強烈な右ボディーアッパーを放ったが、ガードの上。メンデスは、ピンチになると、巧みなクリンチをみせて、優大の攻撃を止める。
4R
メンデスは距離をとって右ジャブ、ワンツーでリズムをとる。中盤にはいきなりの左ストレートをヒット。優大は残り15秒で「こいこい」と手招きしてアピール。終了間際にはメンデスが左ストレートをカウンターでヒットする。
5R
優大は右ボディーアッパーをヒット。メンデスは前に出てパンチを打ち始める。ラスト10秒で接近戦の離れ際で、優大が打ち下ろしの左ストレートをクリーンヒット。メンデスが崩れ落ちて、優大がダウンを奪った。
6R
優大は圧力を強めて大きなパンチを振るう。メンデスは足を使って回復に努める。優大はなかなか相手をとらえられないが、終盤に左ボディーストレートをヒットさせる。メンデスはロープを背にして、足を使って防御に徹した。
7R
優大は、ゴングと同時にプレッシャーを強めて、メンデスにコーナーを背負わせる。ステップインして、右ジャブから左ボディーフックを相手の脇腹にヒットさせてダウンを奪う。メンデスはひざをついたまま、立ち上がることができなかった。
試合後
IBF世界ミニマム級暫定王座決定戦
レネ・マーク・クアルト | × | KO 9回 | ○ | 重岡銀次朗 |
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◆試合経過
入場
重岡銀次朗は、白いノースリーブのガウン、白いトランクス、白いシューズで登場。きれいに染めた金髪と金色のグローブが華やか。リングインの前には両腕を何度も上下させて観客をあおった。クアルトは赤いガウン、赤いシューズ、赤いグローブで登場。感触を確かめるようにゆっくりとリングを1周した。
1R
銀次朗は多彩な右でリズムをつかむ。クアルトはワイルドなフック、アッパーで応戦。2分ごろに頭が当たるバッティングで銀次朗がリングにひざをつくが、スリップ判定。しかし残り30秒でクアルトの右ストレートを浴びて、銀次朗はダウンを奪われた。
2R
左構えの銀次朗は1分すぎに、右アッパーから左ストレートを打ち込む際にクアルトの頭があたる。クアルトは倒れるが、スリップダウン。ただ銀次朗は後半、左ボディーフックを強烈にヒットさせて、相手をロープに背負わせた。
3R
銀次朗は、右ジャブでリズムをとりはじめる。クアルトの左ジャブに合わせて、カウンターの右フックを返すなど、距離を支配。左ボディーフックもヒットさせる。クアルトは手数が少なくなり、様子見の時間が増える。
4R
銀次朗は右ジャブを中心に、素早い出入りでペースをつかむ。左ストレート、左ボディーアッパーもヒット。クアルトは銀次朗の動きをとらえきれずに、大振りのパンチが多くなって、効果的な攻撃を繰り出せない状況が続いた。
5R
クアルトは左ジャブをついて前に出るが、銀次朗がステップでかわして右のリターンをヒットさせる。クアルトは単発の攻撃を多く、銀次朗に打ち終わりを狙われる。銀次朗が主導権を握ったまま、多彩な右をヒットさせる。
6R
銀次朗は1分40秒ごろに強烈な左ボディーフックをヒット。クアルトは体をくの字にして後退。銀次朗は同じところに2発を追加してダメージを与えた。残り30秒ごろに、再び左ボディーでダウンを奪ったかにみえたが、ビデオ判定の結果、バッティングがあって、スリップダウン。ただクアルトのダメージは明らかな状態となった。
7R
銀次朗は2分過ぎに、左ボディーフックをヒット。直後にクアルトの右をかわした直後に再び同じパンチを突き刺した。クアルトは顔をゆがめてひざをついてダウン。銀次朗はその後もボディーを中心に攻め続ける。クアルトは右アッパーで必死の反撃も、相手の攻勢を止められない。
8R
銀次朗はボディー攻撃で相手にじわじわとダメージを与える。右ジャブ、左ストレートから腹を攻めて、相手の出足を止める。クアルトは残り30秒ごろに、苦し紛れに頭を出して、レフェリーに注意を受ける。
9R
銀次朗は2分すぎにステップインして力強い左ボディーフックでダウンを奪う。さらに残り15秒ごろに今度はコンビネーションからがら空きの腹に、左ボディーフックを打ち込んで、このR2度目のダウンを奪取。苦悶(くもん)の表情を浮かべたクアルトは必死で立ち上がったが、レフェリーが試合を止めた。
試合後
ハーフタイムショーで熱唱するASKA
ラウンドガールを務める3150ガールズ
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