日本バンタム級1位富施郁哉(25=ワタナベ)が新王者となった。日本バンタム級王座を懸け、同級2位杉本太一(25=勝輝)の拳を交え、2度のダウンを奪って5回1分38秒、TKO勝利、17年1月のプロデビューから7年で待望の日本王座のベルトを巻くと「勝ててほっとした。10回まで戦うつもりだったので勝ててうれしい」と安堵(あんど)感。18歳の時ヨネクラジム(17年8月に閉鎖)で出会った町田主計トレーナーとの二人三脚をワタナベジムでも継続して日本の頂点に立つと「勝って泣いたのは初めて」とうれし涙を流した。

序盤から自らの距離を保ちながらサウスポースタイルから左ストレートを打ち込んだ富施はジャブからワンツーでリズムをつかむと5回、勝機を逃さなかった。左ボディーで杉本の動きを止めると連打から左ストレートを顔面にねじ込んでダウンを奪った。立ち上がった杉本にさらに左ストレートをヒットさせてダウンを追加。そのままレフェリーストップ勝ちとなった。

同じ町田トレーナーに指導を受けるIBF世界ミニマム級王者重岡銀次朗(24=ワタナベ)もセコンド入り。先月31日に2度目防衛成功したばかりの重岡から同じサウスポーらしい的確なアドバイスを受けていたという。身近に世界王者がいる環境だけに、富施は「先のことはゆっくりしてから考えたいが、目指せるところまで目指していきたい」と気合を入れ直した。

初防衛戦は指名試合となるため、同級3位の世界ランカー増田陸(26=帝拳)が挑戦者になる可能性がある。昨年5月、バンタム級トーナメント1回戦で7回TKO負けを喫して相手だが「決まったら決まったでやるだけですね」と再戦になればリベンジを狙う。現在、バンタム級は世界でもWBA王者に井上拓真(大橋)、WBC王者も中谷潤人(M・T)が君臨し、5月4日には西田凌佑(六島)がIBF王座、5月6日には元K-1スーパーバンタム級王者武居由樹(大橋)がWBO王座に挑戦するホットな階級となる。

また国内で世界挑戦するためには日本、東洋太平洋王座の獲得が不可欠。国内バンタム級には無敗の格闘家でWBA世界同級7位の那須川天心(帝拳)もいる。富施は「今、バンタム級は熱くて、いろいろな選手が取り上げられている。まだ僕の名前は出ていないので、そこに割って入っていきたい」と言葉に力を込めていた。【藤中栄二】