元WBO世界フライ級王者木村翔(36=花形)が、地元開催の引退エキシビションマッチで現役生活に別れを告げた。元世界3階級制覇王者八重樫東氏(41=大橋ジムトレーナー)とエキシビションマッチ(ヘッドギアなし、2分×3回)に臨み、最終3回には近距離から激しい打ち合いを展開。会場を盛り上げて現役ラストを締めくくった。

23年1月、タイでウラン・トロハツ(中国)とWBAインターナショナル同級タイトル戦(国内未公認)で引き分けたのがラストマッチとなった。2年3カ月ぶりのリングとなった木村は「八重樫選手、本当に今日は最後に殴りあってくれてありがとうございました。本当に僕が世界王者になる前からスパーリングパートナーで使ってもらっていて、いつかこの人を超えれば世界王者になれると思っていた。最後を選ぶのは八重樫さんで良かったと思います。地元開催でたくさん地元企業に協賛していただいて、この興行が開催できた。本当にありがとうございました」と感慨深げにあいさつした。

エキシビションマッチ後、引退10カウントゴングで気持ちのけじめをつけた。また所属ジムの花形進会長ら支援者や関係者など16人により、木村が両手に巻いたバンテージをハサミで切る引退セレモニーも開催。この独特な引退セレモニーは木村自身の発案だったという。

埼玉・熊谷市出身の木村は13年4月、1回KO負けでプロデビューも16年11月にWBOアジア・パシフィック同級王座の獲得に成功。17年7月には中国に乗り込み、五輪連覇でWBO世界フライ級王者の鄒市明(中国)に挑戦し、11回TKO勝利。敵地で大番狂わせを起こし、世界王座を獲得した。2度防衛後、18年9月に田中恒成(畑中)に判定負けして王座陥落。19年5月、WBA世界ライトフライ級王者カルロス・カニサレス(ベネズエラ)に挑戦したが、判定負けを喫して王座返り咲きはならなかった。

木村は「鄒市明戦が1番の思い出深いです。人生懸けた大一番だった。勝った時は達成感が大きかった」と振り返る。昨年5月には熊谷市でフィットネスジムを開設しており「ボクシングに人生を変えてもらったので、ボクシングに恩返しをしたい」と決意を新たにしていた。