1月の大相撲初場所を両足親指のけがで途中休場した横綱白鵬が8日、東京都墨田区の宮城野部屋で稽古を再開した。

 四股、すり足など基本運動で汗を流したが、左足親指に不安が残っていることを吐露。春場所(3月11日初日・エディオンアリーナ大阪)での復帰について明言しなかった。

 白鵬は初場所初日の朝稽古で右足親指を負傷。4日目に左足親指も痛めて翌日から休場していた。8日の稽古では小刻みなジャンプ、そんきょの姿勢などでも状態を確認。「左は腫れが引いていなくて、圧迫する感じがある」と述べ、再検査の意向を示した。

 昨年12月には横綱審議委員会から肘をぶつけるような荒っぽいかち上げや張り手が粗暴と指摘された。初場所では“必勝パターン”を封印せざるを得なくなり、精彩を欠いた。取り口への影響について「今はけがをどうやって治すかだ。それしかない。そうじゃないと、考え方やメンタルはついてこない」と体調面の回復を最優先とした。

 春場所では北の湖を抜き、横綱在位が単独史上1位の64場所目となる。新たな金字塔を樹立する第一人者は「みんなは(自分を)強いと思っているかもしれないが、自分は弱いと思っている。だから、毎日(稽古を)やっている」と胸中を打ち明けた。