1月の初場所で引退した大相撲の元横綱稀勢の里の荒磯親方(32)が、現役時代に使用していた化粧まわしや着物など約80点が、23日から東京・両国国技館内の相撲博物館で一般公開される。

「七十二代横綱稀勢の里」と題した特別展で、22日は報道陣に向けた内覧会に出席。自ら思い出を交えて解説した。

漫画「北斗の拳」の登場人物が描かれた三つぞろいの化粧まわしは、主人公のケンシロウではなく、敵役のラオウが描かれたものを着用。引退会見では、そのラオウの名言を引用した「土俵人生に一片の悔いもございません」と話したが、「去り際もカッコイイ。自然とそういう言葉が出た」と明かした。

博物館関係者によると、引退後間もない力士の特別展は珍しく、人気の高さを証明した。館内を1周した本人は「すべてに思い出がある」と感慨深い表情。まだ着ていない着物もあるといい、弟弟子の大関高安に贈呈するか問われると「大関に中古はあげられない。いいことがあれば作ってあげたい」と、初優勝のプレゼントを予告していた。【高田文太】