大相撲初場所が10日、東京・両国国技館で初日を迎えた。新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言下で、厳重な対策を講じ5000人を上限に観客を入れての興行。本場所直前に約900人を対象に実施した新型コロナウイルスのPCR検査の結果、力士65人を含む協会員83人が休場する中、幕を開けた。

白鵬(35=宮城野)、鶴竜(35=陸奥)の両横綱も休場で3場所連続で横綱不在。今後、協会員に感染者が出た場合、日本相撲協会は「部屋封鎖」も視野に入れるなど厳戒態勢。綱とりに挑む大関貴景勝に土がつくなど、混沌(混沌)とした場所を象徴する初日となった。

<異例の初場所アラカルト>

▽5部屋の協会員休場 直近で新型コロナ感染及び濃厚接触の可能性が判明した親方や力士らが所属する部屋の協会員の休場を決定。対象部屋は休場者が多い順から、九重(31人)、宮城野(19人)、友綱(18人)、荒汐(14人)、湊(1人)で計83人。

▽チケット売り止め 緊急事態宣言発令前の6日に、入場券販売の売り止めを決定。本来は入場券の在庫がある限り、初日の10日まで販売予定だった。当日券の販売も行わず、入場券の払い戻しにも対応する。

▽観客数 1日あたりの観客数は当初、両国国技館の収容人数の約1万600人の半分にあたる約5300人の予定だったが、緊急事態宣言を受けて5000人に。4人升席は2人で使用し、声援は自粛し拍手を推奨する。

▽ちゃんこ販売中止 会場内2階でちゃんこ販売を予定していたが中止に。これまで同様に、会場内での酒類の販売はなく持ち込みも禁止。

▽懸賞 芝田山広報部長によると、初場所15日間の懸賞申し込み総本数は約1400本。新規は3件で、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言下での開催や力士の休場でキャンセルは約100本。先場所の懸賞総本数は1040本だった。芝田山広報部長は「今までは1000本前後だった。非常に多くなっている。ありがたい」と感謝した。