6場所連続休場明けの横綱白鵬(36=宮城野)が、復活優勝へ王手をかけた。

異様なほど、仕切り線から大きく下がっての立ち合い。正代がおそるおそる手を着くと、互いにふわっと立った。白鵬はのそりのそりと前へ。合わせて前に出てきた正代に、強烈な左張り手を一発。今度は右おっつけからの右張り手を一発。互いに距離を取ってにらみ合い。今度はけん制気味に左張り手を食らわせると、右を差して左上手を取って前へ。全体重をかけて強引に浴びせ倒した。

取材後はオンライン取材の場に現れなかった。幕内後半戦の藤島審判長は「バチっと当たられて、もろ差しになるのを嫌だったのでは」と異様な立ち合いをした理由を推測。加えて「賛否あると思うが、なりふり構わずに勝ちにこだわる貪欲さがある」と勝ちへの執念を評価した。進退を懸けて臨んだ場所で、夢にまで見なかった全勝優勝に手をかけた。