結びの一番で起きた珍事に、NHKで解説を務めた元小結の舞の海氏は「前代未聞ですね」と言い、「行司の大失態と言われても仕方ないですね」と断じた。

横綱照ノ富士と横綱初挑戦の若元春の一番は、2分を超える大相撲となった。左四つの膠着(こうちゃく)状態で若元春のたてみつがほどけ、行司の式守伊之助はまわし待ったをかけた。気づいた照ノ富士が力を抜いたところ、気づかなかった若元春が一気に寄り切る珍事が起きた。

その後の審判の長い協議、取組再開まで時間を要し、NHKも相撲中継終了予定の午後6時を約5分過ぎるまで中継を続けた。

その要因となった行司の待ったのタイミング、両者にきっちり伝わる動作ができたかを踏まえた、舞の海氏の厳しい言葉となった。

◆まわし待った 力士のまわしが緩んだ時、行司が勝負を止めることができる。通常は静止した体勢のまま結び直すが、再び体勢を作り直すという事例は過去に例がないと思われる。勝負が長引いて決着が付かない「水入り」の場合は、1度土俵下に降りて、再開時は中断前の体勢から行う。

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