日本相撲協会は26日、来年1月の大相撲初場所(8日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表した。

横綱は、在位9場所目となる照ノ富士(31=伊勢ケ浜)が東に就いた。膝のケガで出場するか否かは微妙だが、出場すれば4場所ぶり8度目の優勝を目指す土俵となる。一人横綱は番付上で8場所連続。先々場所は両膝のケガで10日目から休場。先場所は全休しており、その回復具合が注目される。

大関陣は、正代(31=時津風)が関脇に陥落したため、3場所連続で2ケタ勝利を挙げ先場所は優勝同点の貴景勝(25=常盤山)が、一人大関として西に就いた。その貴景勝は、本来なら4場所連続で東に就くところだが番付上、大関は2人が名を連ねるのが慣例で、東横綱の照ノ富士が番付上で大関も兼務する東の「横綱大関」と併記されるため、西に回った。

一人大関は20年春場所以来で、この時も貴景勝だった。その時の番付は、東横綱が白鵬で、西横綱の鶴竜は今回の照ノ富士のように「横綱大関」と併記され、貴景勝は東大関だった。他に82年初場所の大関琴風の例があり、この時は西の横綱北の湖が「横綱大関」と併記。55年にも初、春、秋の3場所で一人大関があったが、これ以外は東西で大関が空位になった側の横綱は「横綱大関」と併記されてきた。

なお、番付上で1横綱1大関は、1898年(明31)春(1月)場所(横綱=小錦、大関=鳳凰)以来、実に125年ぶりのこと。大関以上が2人しかいないのは、93年初場所(横綱不在で大関が曙と小錦)以来30年ぶりとなった。

関脇は、00年初場所(魁皇、栃東、武双山、貴ノ浪)以来となる4人が名を連ねた。東西は、6場所連続関脇(三役も同じ)の若隆景(28=荒汐)と、今場所が大関とりの足固めの場所となる豊昇龍(23=立浪)が3場所連続の関脇在位(三役は6場所連続)。序列2番目の関脇は、東が21年名古屋場所以来となる高安(32=田子ノ浦、三役復帰は21年秋場所以来)、西が大関から陥落した正代が就いた。大関降下は、今年九州場所の御嶽海(30=出羽海)に続き2場所連続となった。

関脇同様、小結も4人が顔をそろえた。東は霧馬山(26=陸奥)が3場所連続(三役も同じ)の在位で、明生(27=立浪)は、ちょうど1年ぶりの復帰だ。

西の小結は、新三役のフレッシュな顔ぶれとなった。

琴ノ若(25=佐渡ケ嶽)は、佐渡ケ嶽部屋からは16年夏場所の琴勇輝以来の新三役誕生となった。千葉県出身では20年九州場所の隆の勝以来、戦後9人目の新三役。父は師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)で、親子三役は97年名古屋場所の小城ノ花-小城錦親子、栃東親子以来、史上6組目となった。

もう1人は若元春(29=荒汐)で、荒汐部屋からは21年名古屋場所の弟若隆景以来で、福島県出身も若隆景以来、戦後6人目。兄弟三役の誕生は、91年九州場所の若花田・貴花田以来、史上4組目となった。

なお、同じ場所で新三役が2人誕生したのは、21年名古屋場所の若隆景、明生以来。4関脇4小結で三役8人がそろうのは、ともに62年夏場所以来、約60年ぶりとなった。

大相撲初場所は、来年1月6日の取組編成会議で初日と2日目の対戦相手が決定。8日の初日を迎える。