大相撲の関脇若隆景(30=荒汐)が、秋場所(9月14日初日、東京・両国国技館)で懸かる、大関昇進への思いの強さを稽古で示した。12日、仙台市で行われた夏巡業の朝稽古で申し合いに参加し、5連勝するなど動きの良さを披露した。前頭平戸海に指名される形で土俵に入ると、その平戸海、伯桜鵬、草野と2番、王鵬と、いずれも実力者の前頭を次々と破った。最後に王鵬と、もう1番取って敗れたところで土俵を退いたが5勝1敗。低い立ち合いからの攻め、おっつけなど、持ち味に磨きを掛けた印象と、大関とりへの気力の充実ぶりをにじませた。
稽古後は「来場所が大事。これからしっかりと、気持ちと体をつくっていきたい」と、大関とりの重圧を受け止めつつ、自らに言い聞かせるように話した。5月の夏場所は小結で12勝、7月の名古屋場所は関脇で10勝を挙げた。大関昇進の目安は、三役で3場所33勝。2場所連続、三役で2桁白星を挙げており、秋場所は押しも押されもせぬ、最有力大関候補として臨む。名古屋場所は千秋楽で2桁白星に乗せる10勝目、大きな星となったが「終わってみると、あの1番に勝ったのは、けっこう違うかもしれない」と、1勝の重みをかみしめていた。
すでに相撲を取る稽古を再開して数日が経過しており「これからも、なるべく取りたいけど、あとは体と相談して」と、2年前には同じく「大関候補」と呼ばれていた関脇から、右膝の大けがで幕下まで転落。どこに落とし穴が待っているか分からない経験もしているだけに、冷静さと気迫のバランスを取りながら、調整を進めるつもりだ。【高田文太】

