[ 2014年6月30日23時4分 ]

 W杯ブラジル大会の決勝トーナメント1回戦の、フランス-ナイジェリアが30日(日本時間7月1日午前1時)にブラジリアで開催される。

 1次リーグで圧倒的なパフォーマンスを披露し、一躍優勝候補の1つに浮上したフランスが、アフリカの雄ナイジェリアと激突する注目の一戦だ。

 絶対的エースのMFリベリが直前に離脱したことで、大会前の下馬評は決して高くなかったフランス。しかし、覚醒したエースストライカーのFWベンゼマの活躍や、闘将デシャン監督によって植え付けられた組織的な守備が機能し、スイスやエクアドル、ホンジュラスと同居したE組を2勝1分けの首位で突破。また、最終戦のエクアドル戦で主力を温存し、万全の状態で今回のナイジェリア戦を迎えることになった。

 対するナイジェリアは、優勝候補のアルゼンチン、初出場のボスニア・ヘルツェゴビナ、イランと同居したF組を1勝1敗1分けの戦績で2位通過を決めた。1次リーグを通してまずまずのパフォーマンスを見せたチームだったが、今大会唯一の勝利が、幸運な判定によって手にしたボスニア・ヘルツェゴビナ戦だったこともあり、いまひとつ波に乗れていない印象だ。また、24日にはボーナスの支払い時期を巡る母国協会との対立で、練習を拒否する騒動も起こしている。それでも、MFミケルやFWムサなど個々の能力は申し分ないだけに、好調フランス撃破に期待がかかる。

 ◆フランス代表◆【4-3-3】

 予想スタメン

 GK

 ロリス

 DF

 ドビュシー、バラン、コシールニ、エブラ

 MF

 ポグバ、カバイ、マチュイディ

 FW

 バルブエナ、ジルー、ベンゼマ

 負傷者

 DFサコ(太もも裏)

 出場停止者

 なし

 出場停止者はいないものの、太もも裏を痛めているDFサコに欠場の可能性がある。同選手が欠場する場合は、DFコシールニとDFバランがセンターバックでコンビを組むことになる。中盤から前のポジションでは、サスペンション明けのMFカバイ、エクアドル戦で温存されたFWバルブエナ、FWジルーが先発に復帰するはずだ。

 ◆ナイジェリア代表◆【4-2-3-1】

 予想スタメン

 GK

 エニュアマ

 DF

 アンブローズ、オメルオ、ヨボ、オシャニワ

 MF

 オナジ、ミケル

 MF

 オデムウィンジ、ウチェボ、ムサ

 FW

 エメニケ

 負傷者

 MFモーゼス(筋肉系)、MFババトゥンデ(腕)

 出場停止者

 なし

 出場停止者はいない。だが、アルゼンチン戦で腕を負傷したMFババトゥンデの欠場が濃厚。トップ下を務める同選手の代役には、コンディションに不安を抱えるMFモーゼス、イラン戦で同ポジションでのプレーを経験しているMFアジーズ、FWウチェボのいずれかが入る見込みだ。

 ★注目選手

 ◆MFブレーズ・マチュイディ(フランス)

 1次リーグを首位通過したの陰のMVPと評されるマチュイディを注目選手に挙げたい。圧倒的な身体能力と献身性を武器に中盤に君臨する27歳MFは、今大会でも攻守にわたって絶大な存在感を発揮。このナイジェリア戦では、その万能性を生かして攻守両面での活躍が期待される。攻撃面では、2列目からの飛び出しへの対応に脆さを見せる相手守備陣に対して、味方とのワンツーを使って積極的にゴール前に飛び出し、攻撃のアクセントになりたい。また、守備面では素早い攻撃から守備への切り替えで相手のカウンターの起点を潰すことが求められる。

 ◆FWアーメド・ムサ(ナイジェリア)

 ナイジェリアの注目選手は、直近のアルゼンチン戦で2ゴールを挙げたCSKAモスクワFWだ。個々の高い能力に加え、攻守の切り替えが徹底されたフランスの守備を崩すのは、ナイジェリアにとって至難の業だ。それでも、相手両サイドバックの守備力はさほど高くないため、サイドを起点にうまく攻められれば、ゴールを奪える可能性は高い。アルゼンチン戦で世界屈指の右サイドバック、サバレタを翻弄したムサが、この試合でもマッチアップするドビュシーを相手に攻撃の起点になることができれば、悲願のベスト8進出も夢ではないはずだ。【超ワールドサッカー】