[ 2014年6月25日8時15分
紙面から ]前半35分、2点目を決めたネイマールは歓喜の大ジャンプ。左はアウベス(AP)<W杯:カメルーン1-4ブラジル>◇1次リーグA組◇23日◇ブラジリア
ブラジル代表FWネイマール(22=バルセロナ)が、チームを8大会連続の決勝トーナメントに導いた。カメルーン戦に左MFで先発し、2ゴールの大活躍。勝利に貢献した。初戦の2得点と合わせ、通算4ゴールは得点ランクトップ。史上最多6度目の優勝へ向け、若きエースの勢いは増すばかりだ。
重圧をどこかに忘れてきたような躍動ぶりだ。前半17分。ネイマールが、MFルイスグスタボの左クロスに合わせ、相手DFの間をスルリと抜ける。右足インサイドで軽く合わせると、ゴール右へ飛び込む先制弾となった。スタンドへ走り、両手を下から上へと振り上げて「もっと盛り上がれ」のポーズ。さらに右手を耳に当てて「応援が聞こえない」とやると、6万9112人のファンで埋まったスタジアムは、コンサートのような熱狂に包まれた。
サッカー好きの子供がそのまま大きくなったような奔放なプレーは続く。前半35分には左サイドでボールを受けると、中央へ切れ込む得意の形。DFをあざ笑うかのように股間を通す、この日2点目の勝ち越し右足シュートを決めた。試合後はマン・オブ・ザ・マッチにも選ばれ「(前戦の)メキシコ戦はチームが無得点で批判もされたが問題はなかった。ゴールはいつでもうれしい。やるべきことをやれた」と胸を張った。
ブラジル1部サントスでプレーしていたのは、つい1年前。それが現在は世界最高峰のクラブ、バルセロナに所属し、代表の10番をつける。しかも今大会は地元開催で負けは許されない。常々、ネイマールの比較の対象となってきた「王様」ペレ氏も「彼にかかる負担が大きすぎる」と短期間での環境の変化を心配していた。だが、そんな不安は吹き飛んだ。
どうすれば弱冠22歳にして、そんな重圧をコントロールできるのか。ネイマールが米ウォールストリート・ジャーナル紙のインタビューで語った言葉にすべてが集約されている。
ネイマール
ペレと比べられるのは光栄だよ。でも彼はサッカーの王様。オレはサッカーがしたいだけのただのガキなんだ。
子供のころから、ヒマさえあればボールに触れてきた。道路でもビーチでも、屋内ではフットサルにも取り組んだ。コートが狭く、細かい足技が求められるフットサルは、今でもプレーの基礎となっている。舞台が変わっても「サッカーがしたい」という気持ちにブレがないから落ち着いていられるのだ。
決勝トーナメント1回戦ではチリと戦う。1次リーグで前回王者スペインを倒した強豪だ。それでもネイマールがいる限り、ブラジル優位は変わらない。「重圧はまるで感じない。どの瞬間も自分にとっては喜び。夢が現実となっているんだから」というエースが、決勝のマラカナン競技場へ、チームを連れて行く。



