[ 2014年6月26日7時56分

 紙面から ]今野のファウルでPKを取られひざに手を置く、左から青山、内田(撮影・PNP)<W杯:日本1-4コロンビア>◇1次リーグC組◇24日◇クイアバ

 日本代表DF内田篤人(26=シャルケ)がコロンビア戦後、代表引退することを示唆した。今大会限りでの代表引退を問う質問に「考えてます。日本に帰って少し休んで。そのことに関しては、ちょっと前からずっと考えていたこと。考えようかなと思う。ずっと思っていたので。人には言っていなかったですけど」。前回の南ア大会では出番がなかったが、今大会3試合にフル出場。しかし、結果にはつながらなかった。

 試合終了後、1人ベンチに座って顔を両手で覆った。顔を隠すようにうつむいたまま、動かなかった。悔しがるように、代表との別れを惜しむように、泣いているようだった。そして目を赤くして言った。「自分たちが努力してきた部分が報われないのは本当に残念だが、勝負の世界に『たられば』はない。しょうがないですね。難しい試合にしてしまったのは自分たち。まだまだ未熟だし、世界は近づいてきたが、まだまだ広い」。世界との壁を痛感した、W杯での270分だった。

 2月に右太もも裏肉離れと腱(けん)断裂のけがを負い、急ピッチで間に合わせた。大会直前から「筋力がまだ戻らない」とこぼしていた。試合勘を取り戻そうと、メンバー発表後の親善試合は3試合すべてに出場。ザッケローニ監督の信頼と期待に応えようとした。前半終了間際のカウンターも、自陣からドリブルで独走し、本田につないだ。攻守において、やれることをやろうとした。「監督が今まで通りやっていこうと強く言っていましたし、選手がそれをできなかった」。やり切った表情で、W杯を終えた。