2023年10月に老朽化のために閉館した国立劇場が33年度に再開場の予定であることが分かりました。当初は29年に再開場の予定でしたが、2度の入札が不調に終わったため、再開場の時期が不透明でした。

国立劇場の舞台に立っていた歌舞伎俳優、舞踊家、邦楽演奏家、落語家たちからは「1日も早い開場を」との声が数多く上がっていました。閉館中の国立劇場主催の公演は、さまざまな劇場、ホールで行われていますが、観客の入りでは苦戦していました。やはり、国立劇場で見たいというファンが多いからでしょう。

再開場の日程が発表されましたが、それがスムーズにいくかは分かりません。発表では本年度中に入札の公告を行い、27年度に契約を締結。その後建設工事に入り、33年度に再開場という流れです。ただ懸念もあります。2度の入札では劇場とともに「ホテル」併設が必須でしたが、今回は自由提案に変更となりました。どんな提案が出てくるのか。それは国立劇場というブランドにふさわしいものでなければいけないでしょう。

歌舞伎座は10年に閉館し、13年には新しい歌舞伎座でこけら落とし公演が行われました。歌舞伎座はなかったのは3年でしたが、国立劇場の不在は当初予定よりも4年も延びて、10年という長さです。伝統芸能を取り巻く状況は年々厳しくなっていますが、再開場した時はどうなっているのでしょうか。ちょっと心配です。【林尚之】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「舞台雑話」)