ものまね芸人コロッケ(65)が、デビュー45周年を迎えている。9月20日に初日を迎える東京・明治座公演「大逆転!戦国武将誉賑(せんごくかーにばる)」では、松平健(71)久本雅美(67)檀れい(54)と“4人座長”を務め、豊臣秀吉を演じる。ものまねレパートリー1000人以上、今年2月に変形性膝関節症のため両膝に人工関節を入れる手術を受けた。ものまね界のレジェンドに聞いてみた。【小谷野俊哉】
★松平健、久本雅美、檀れいと
「大逆転!戦国武将誉賑」では、2年半前の明治座創業150周年記念「大逆転!大江戸桜誉賑」の4人の座長が再結集した。コロッケは豊臣秀吉、久本が妻のねねを演じる。
「本当の秀吉とねねって、こんな感じだったのかなってね。歴史上の人たちで、実際に見た人もいないんだけど、多分関係性がこんな感じだったんだっていうのが、すごく見えてくると思うんですね。もう思いっきり面白い。秀吉は、農民から成り上がって天下を取る。そういう意味では、やりたかった歴史上の人物の1人ですね。人間らしいっていうか、自分中心に動いて、ある意味で人間の欲の塊。欲に忠実に生きた」
久本とのコンビでは、徹底的に笑いを追求する。
「今回は、どこまで行けるかなって。久本さんとは、あうんの呼吸がもうできてますから。本当に安心して、任せきってます。ちゃんとお芝居をして、そこから笑わせる。同世代で、育ってきた時代、話題とが一緒だから余計に分かってもらえる。明治座の舞台で、これだけふざけられるのは楽しいですね」
★殿も檀れいさんもおかしい
松平と檀が、織田信長と妻のお濃を演じる。
「これは時代劇として、お殿様とお姫様そのままですからね。お芝居の部分に芯があって、その中で、物語を壊さないように、どうむちゃぶりできるか。忠実にやりながらふざけたまねをね。殿(松平)は本当に面白いですよね。真剣に面白いんです。ふざけてないんです、真剣におかしいんです。これって貴重なことで、檀れいさんもそうなんですよ。ふざけなくてもいいとこにいらっしゃる方が、真剣にふざけて、誰もかなわない」
マツケン、コロッケ、マチャミの中に入った檀。
「やっぱり宝塚の娘役のトップだった方で、持ってるものが違う、基礎がしっかりしてる。そこから崩すことができるから、これ強いですよ。他にいないですね、あんなに奇麗でふざけることができるのは。いや、もう宝ですよね。それも真剣にやるから、よけい面白いんです。それは不思議な能力なんですよ。松平さんも負けじと、僕のむちゃぶりで毎回違うことをやってくれる」
4人座長で最後は「マツケンサンバ」で締める。
「もうだから異色のメンバーが集まって、これだけの形のお芝居を歴史上の人物でやるっていうのは、僕の記憶では今までないんです」
今年2月に両膝を人工関節にする手術を受けた。
「手術を受けて、丸々3カ月かかりました。今リハビリで動きながら、本番あたりにはだいぶ足もいい状態になると思います。やっぱり年齢との闘いというのが、これからあるんだろうなと。動いてるから面白いっていうものとは別に、動かないから面白いっていうものをなんとかね」
★モテたくて郷ひろみのまね
中学3年の時にモテたくて、郷ひろみのものまねを始めた。
「出て来てすぐで、世の中にこんな奇麗でかわいい人がいるんだって。ものまねは、時代によって変えていかなきゃいけない。最近だったら、やっぱりBTSからミスりたい(笑い)。そういう意味じゃ、1人の人のものまねでも、朝と昼と晩じゃ3種類に増えますから。300人の朝、昼、晩って、もうそれで1000人近い。それ以外に動物とか、誰もやらないものをね。サケの産卵とか、そういう北海道限定のネタあるんですよ」
20歳の時に熊本から上京。ショーパブでものまね芸を披露しながら、プロを目指した。
「20歳の夏、80年の8月に日テレの『お笑いスター誕生』で6週勝ち抜きでプロと。ちょうどB&Bさんが10週連続勝ち抜いて、次は誰だみたいな時でした。とんねるずだとか、ちょうど師匠がいない芸人たちが、ドンと出てきたと思います。その後にダウンタウンもウッチャンナンチャンも出てるんです。すごい番組でしたね」
最初出てきた時は、男か女か性別不明。それまでの“演芸”のものまね芸とは、一線を画していた。
「そうですね。ちょっとこう、夜の匂いする。そういう意味では、新しかったですよね。僕のやり方が、ものまねとしていいのかどうかは別として、違うやり方をしていた。形態で行き過ぎたものまね、そして、この形になってきた。24、25歳の時は“ものまね四天王”。清水アキラさん、栗田貫一さん、ビジー・フォーと。みんなそれぞれのふざけ方で」
★ものまねは新しいことを
野口五郎、岩崎宏美、五木ひろし、谷村新司…音楽界の大物をコミカルにまねて笑わせてきた。
「基本的には、怒って許してくれない人はいないですね。まぁ、怒られる前に逃げるんで(笑い)。あと諦める人もいますね。ここまで来ちゃったんで、もうしょうがない、どうせやめないだろうって。あとは、ありがたいことに北島三郎さんや八代亜紀さんから、『いいよ』って言っていただいて。大御所のおふたりがOKしたわけだから、他の方もね」
倍速のものまね、ロボット五木ひろし「五木ロボット」と、ものまね概念を変えてきた。
「まず似せて面白いじゃなくて、もう全然違うところでね。なんだったら五木さんが、五木ロボのものまねをするっていう。だから30%はものまねで、あと70%は別の生き物。それでいいと、僕は思うんで。あとは、楽しんでいただけるかどうかっていうことですよね。ファンの方には『この歌で勇気づけられたのに』って怒られるんですが」
ものまね界に革命を起こしながら45年間、歩んできた。由緒ある明治座の舞台に松平健と一緒に立つ。
「とんでもないですよ、すごいことなんですけどね。あとは、僕のここに誰か早く来てくれよっていうのがあります。ものまねは新しいことをやっていかないとダメになっていく芸なんです。そういう意味じゃ、新しい人にも出てきてほしいですね」
芸道45年。真面目にふざけている。
▼歌手小林幸子(71)
コロッケちゃんは、私の農業振興や過疎対策、子ども食堂の支援など「幸せプロジェクト」に賛同してくれて、お世話になっています。チャリティーの輪を互いの故郷の新潟と熊本から、全国に広げようと一緒に頑張っている大切な仲間でもあります。いつも明るい笑顔とものまねに癒やされています。今年は両膝の手術を乗り越えて、また笑顔で復活してくれました。これからも身体に気をつけて、一緒に頑張っていきましょう。ところで、いろいろな人のものまねをしているけど、そろそろ小林幸子のものまねをお願いします(笑い)。
◆コロッケ
1960年(昭35)3月13日、熊本市生まれ。高校を卒業して上京。80年に日本テレビ系「お笑いスター誕生!!」でデビューして、6週連続勝ち抜き。85年フジテレビ系「ものまね王座決定戦」で大ブレーク。93年日本テレビ系「ものまねバトル」。13年「松尾芸能賞」演劇優秀賞。14年「文化庁長官表彰」。16年「第16回日本芸能大賞」。18年映画「ゆずりは」で、本名の滝川広志で映画初主演。19年「第28回日本映画批評家大賞」特別新人賞。171センチ。血液型B。










