出演者のプロレスラー木村花さん(享年22)の死去を受け打ち切りが決定したフジテレビ系恋愛リアリティー番組「TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020」について、同局の遠藤龍之介社長(63)は29日、「今後、十分な検証を行ってまいります」と検証チームを立ち上げる意向を明らかにした。コロナ禍で中止になった定例会見に代わり、文書で質問に答えた。

同局企業広報室によると「検証に当たる人選はこれから行っていく」という。検証は同局と制作会社のイースト・エンタテインメントが協力し、出演者や関係者への聞き取り、番組制作資料や素材VTRの確認、SNSの調査など、事実関係を精査する。関係者の処分については「検証の結果次第」という。

遠藤社長は同文書で「もっと細かく、継続的に、彼女の気持ちに寄り添うことができなかったのだろうかと慙愧(ざんき)の念に堪えません」とし、「出演者の心の在り方という大変デリケートな問題を番組としてどう扱っていくか、時としてどう救済していくか、向き合う私どもの認識が十分ではなかった」とコメントを発表した。

木村さんは同居男性とのトラブルに憤ったシーンが3月末にネットフリックスで先行配信され、SNS上で誹謗(ひぼう)中傷を受けていた。今月18日にフジテレビでも放送されて再炎上、23日未明に「毎日100件近く率直な意見。傷ついたのは否定できなかったから」などとツイート後に死去した。同局は27日に番組の打ち切りを発表した。

高市早苗総務相はネット上の悪意のある投稿を抑止するための制度改正検討を表明している。