宝塚歌劇団は17日、専科スターで、劇団特別顧問の轟悠(とどろき・ゆう)が、10月1日付で退団すると発表した。轟は18日、大阪市内で退団会見を開く。

轟はトップ退任後、故春日野八千代さんの後任として劇団に残って専科へ移り、続く後輩らに「男役のお手本」「教科書」として、背を見せてきた。

またこの日、あわせて、轟の主演作となる星組公演「戯作『婆娑羅(ばさら)の玄孫(やしゃご)』」も発表された。大阪市北区のシアター・ドラマシティで7月9~15日、東京芸術劇場プレイハウスで7月21~29日に上演される。

轟は85年入団の71期生。月組へ配属され、雪組へ組替え、97年に雪組トップに就任。劇団では、トップ退任後は退団するのが常だが、春日野さんの後継者として、芸達者な生徒が集う専科へ異動。03年に劇団理事に就いた。

専科へ移っても、主演作を担う「スター格」として長く活躍。外部の演劇関係者から「本物の男性にしか見えない」と言われた男役芸の完成度は高く、リアルな男性像を表現。「男役の体現者」として、後輩たちが「たたずまい」「品格」を学び、お手本として舞台出演を重ねてきた。

主な代表作は「風と共に去りぬ」「凱旋門」など。昨年も、星組公演「シラノ・ド・ベルジュラック」に主演したが、同年7月18日付で理事を退き、劇団の特別顧問に就いていた。