アニメ映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版」(庵野秀明総監督)配給の東映は12日、10日、11日の2日間で興行収入(興収)2億6520万3150円、動員16万807人を記録し、累計興収74億2624万3700円、累計動員484万8041人を記録したと発表した。

11日に庵野秀明総監督、鶴巻和哉、前田真宏両監督、碇シンジ役の声優緒方恵美の登壇による舞台あいさつが東京・新宿バルト9で開催。「エヴァンゲリオン」シリーズ史上初の監督陣の舞台あいさつに加え、今後も予定されていないことから“最初で最後”の監督陣舞台あいさつということから、登壇する新宿バルト9のシアター9は約3分で完売し、全国328の映画館が参加という大規模な同時生中継も実施したことが興収を支えたとみられる

庵野総監督は舞台あいさつで「スタッフの代表として、みなさまにお礼を言う最後のチャンスかな、と思って出ることにしました」「こういったニッチな(分野の)ロボットアニメで100億を目指せるというのはありがたいこと」と、シリーズ最高の記録を支えてくれたファンに感謝した。それを受けて、SNS上では、「庵野秀明を100億の男へ」、「碇シンジを100億の男へ」というような声が上がっている。

5日から10日まで6日連続で、テーマソング「One Last Kiss」を歌う宇多田ヒカルによる、もう1つの本作のテーマソング「Beautiful World(Da Capo Version)」にのせて、描かれる6人のキャラクター別映像「Character Promotion Reel」が流れたことも興収を支えたとみられる。5日の碇シンジを皮切りに、6日は綾波レイ/アヤナミレイ(仮称)、7日は式波・アスカ・ラングレー、8日は真希波・マリ・イラストリアス、9日は渚カヲル、10日は葛城ミサト、と6人のキャラクターたちの「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズ、『:序』「:破」「:Q」、そして「シン・エヴァ」での印象的なシーン、セリフが詰まった映像となった。

「シン・エヴァンゲリオン劇場版」は、8日に公開。翌日の9日には、製作したアニメ制作会社「カラー」が公式ツイッターで、初日の興行収入(興収)が8億277万4200円、動員53万9623人と発表。「異例の月曜公開となりましたが、お陰様で多くの方に足を運んでいただき、非常に良いスタートを切ることができました。皆様には感染対策などお願いばかりで恐縮ですが、本当にありがとうございます」と感謝のコメントを発表した。

封切り後、初の週末となった13、14日2日間の成績は興収11億7744万5400円、動員76万人を記録。8日の公開初日からの7日間で、興行収入(興収)33億3842万2400円、観客動員219万4533人を記録し「エヴァンゲリオン新劇場版:Q」との興収対比145・1%、動員対比133・6%と好スタートを切った。

「シン・エヴァンゲリオン劇場版」は当初、20年6月27日に公開予定だったが、は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で同年4月に公開延期を発表。同10月に今年1月23日の公開を発表したが、緊急事態宣言の再発出を受けて同14日に再延期を発表と、2度の公開延期を余儀なくされていたが、2月26日に公開日を3月8日に決定した。その理由について「緊急事態宣言発出より、皆様が安心して本作をご覧いただける時期に向け、関係各所とさまざまな検討と準備を進めてまいりましたが、継続的に各劇場にて有効な感染対策がなされていること、さらに感染リスクを軽減する新たな鑑賞マナーの定着に鑑み、今回の決定に至りました」と説明した。

「シン・エヴァンゲリオン劇場版」は3月29日、27日、28日の2日間で興行収入(興収)5億2801万7500円、動員32万9999人を記録し、8日の封切りから21日間で興収60億7821万1750円、動員396万1480人を記録したと発表した。興収53億円、動員382万人を記録した12年の前作「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」を超え興収、動員ともにシリーズ最高記録を更新している。