7月1日付で日大次期理事長に選出される、卒業生で作家の林真理子氏(68)が26日、都内の日大芸術学部江古田校舎大ホールで行われた日藝100周年記念動画完成披露試写会・記念トークに、サプライズ映像の形で登場した。

この日は、同学部映画学科監督コースOBの池松壮亮(31)が主演し、同学部映画学科脚本コースOBの藤井道人監督(35)が監督を務めた、日藝100周年記念動画が公開された。完成披露試写会には、同学部受験を考え、オープンキャンパスに参加した高校生や保護者、コロナ禍で入学式の実施が見送られた在校生も参加。その最後で、木村政司学部長が、林氏のインタビュー映像を公開した。

「皆さん、こんにちは。このたび、日本大学理事長に就任致します、林真理子です。皆さん、ご存じのように私は1976年(昭51)日本大学芸術学部文芸学科を卒業したOGです。今、すばらしい映像を見せていただきました。まさしく、日本大学芸術学部の底力という感じです」

林氏は、日藝100周年記念動画の最後のメッセージ「芸術とは、あなただ」についても言及。

「私たちは、今もそうだと思いますが、ずっと日芸と言って、日本大学の中でも特別な存在だと思って、誇りに思ってきました。映像の最後の『芸術とは、あなただ』は、とても深く心に残りました」

その上で

「ご存じのように、日芸はたくさんのすばらしい芸術家、アーティストを生みだしています。ぜひ、皆さんも、その中の1人になってください。(学部創設から)101年…みなさんと一緒に『芸術とは、何か』を、ずっと問いかけていきたいと思います」

と呼び掛けた。

完成披露試写会の冒頭で、木村学部長は檀上で「一連の不祥事もありました。歴史の中で最近。起こった不祥事は理不尽で許せるものじゃない」と訴えた。不祥事が何かについて、具体的には言及していないが、林氏が次期理事長に就任するに至った、田中英寿前理事長の脱税事件などを指しているとみられる。その上で、同学部長は「でも、うちは日大じゃない…日芸だと言い続けています。そのくらい反骨精神…クリエーティブ領域を学び、発信していくのに満ちた学生が活躍している」と力を込めていた。

日大では初の女性理事長となる、次期理事長の林氏のサプライズ動画に、場内からは驚きの声と拍手が起きた。木村学部長は「ビックリしました? サプライズのつもりだったんですけど。3日で編集し、2テイクで撮影…さすがです。我々の仲間が、7月1日から次期理事長に就任されますので、皆さん応援していただきたい」と林氏への理解と協力を求めた。池松と藤井監督も動画を見て、拍手していた。