森七菜(21)が9日、都内で行われた Netflixの主演ドラマ「舞妓さんちのまかないさん」(12日から全世界独占配信)配信記念プレミアイベントに登壇。1度目のオーディションで自分の思い描いたところに到達できず、泣きながら渋谷の街を帰ったこと、2回目のオーディションの際、総合演出の是枝裕和監督(60)から励まされ、その優しさが演じた主人公キヨの役作りを支えたと感謝した。

「舞妓さんちのまかないさん」は「週刊少年サンデー」(小学館)で連載中の漫画家・小山愛子氏の、累計発行部数270万部突破の同名漫画を実写化。森は、祇園の舞妓(まいこ)になることを夢見て、ダブル主演の出口夏希(21)演じる親友のすみれとともに故郷の青森を離れ、京都へやってきたキヨを演じた。

森、出口、屋形のおかみさんの娘・涼子を演じた蒔田彩珠(20)はオーディションで選ばれたという。まずオーディションについて、是枝監督は「形としては横一線で、全く演技経験のない子も含めてオーディションという形でやりました。森さんをオーディションに呼ぶのは、キャリア的にも申し訳ないなと思いながら…。この役に一番、はまる子ということで、新人でも…という意識で運んでいたんですけど、見てしまうと森さん以外はあり得ないと途中で気付きました」と、キヨ役は森以外、あり得なかったと強調した。

一方、森は「オーディションの時、何度か行かせてもらって…1度目は、渋谷で泣きながら帰ったんです。半袖と短パンで行ったんで、あの子、大変だな、どうしたんだろうと思われるなぁ、と思うくらい。オーディションでは、キヨにどれだけ近づけるか、というのを達成できなかった」と泣きながら帰った1度目のオーディションを振り返った。

その上で「どうしようかなと思ったら、是枝さんは優しくて、2回目のオーディションが終わった時に『もう、泣かないで帰って大丈夫だからね』って。後から(泣いて帰ったのを)聞いたのかなと。そういう優しさが、キヨを作るに当たっての余裕、気持ちの豊かさを育ててくれたんんで、是枝さんには感謝します」と、照れながら口にした。

物語の中で、キヨは、舞妓さんたちが共同で生活する屋形に住み込み稽古に励むも、舞妓に向いていないから青森に帰るようにと言われ、気落ちする。そんなある日、みんなのために作った親子丼が評判になり、毎日のごはんを用意する「まかないさん」として、屋形で働くことになる。料理も作品の1つのポイントだが、森は「最初は飾り切りとか、キュウリとかメチャクチャになる状態。これじゃあ、ダメだなと…。家族に毎日、なすとキュウリを食べさせる毎日でした」と、料理を練習した日々を振り返った。