4月の芸能イベントでは、多くのタレントが「新生活を始めた人たちへのエール」を送る。優しく寄り添う言葉、背中を押すメッセージ。何を言うかはそれぞれ。中でも重みがあったのが真田広之(64)のビデオメッセージだった。
真田は、自身が出演する「アサヒ ザ・ビタリスト」のCM発表会にVTRでコメントを寄せた。ビールの苦みとかけて、人生の苦みについて「子役のころから数々ありましたが」と話し始めた。「特に渡米してからの20年。言葉の壁、文化の違い、偏見も差別もあった。悔しい思いもありましたけど、それが逆に奮起させてくれた。足りないものを補って、対等に仕事ができるようになりたいと思った。だから感謝ですね、苦みには」と言った。
会場にいた水上恒司(25)は、大まじめな顔で映像に見入っていた。「『苦みに感謝』って、乗り越えた人間じゃないと絶対に言えない言葉じゃないですか…」。吉川愛(25)も「心に刻もうと思います」と響いたようだった。
「苦みに感謝」を、真田は「若い時の苦労は買ってでもせよ」に言い換えた。「いま壁にぶち当たっていても、突破した時の5年後、10年後の自分を考えると、行こう!逃げずに行こう!と思う。新しい環境で頑張っている方々は、苦みを恐れず、むしろ栄養として向かっていってほしい」と続けた。
また「夢は大きければ大きいほどいい」とも言った。「遠い先を見ていると、そこへ向かうために必要な1歩なんて、と思える。(苦みに)ありがたさすら感じて突破できると思うんですね。苦みこそが人生を豊かにしてくれると信じております」。
ハリウッドでも長く活躍し、主演ドラマ「SHOGUN 将軍」でエミー賞とゴールデングローブ賞を受賞した「世界が認めた俳優」の言葉。「苦しくてもあきらめずに挑戦し続けた経験が、今の自分をつくっている」には、この上ない迫力と説得力があった。【鎌田良美】



