芳根京子(28)が主演を務めるフジテレビ系「波うららかに、めおと日和」(木曜午後10時)が好評を呼んでいる。8日に第3話が放送されたが、X(旧ツイッター)で「#めおと日和」が世界トレンド1位になるなど、放送を重ねるごとに盛り上がりを見せている。
昭和11年、縁談により交際0日で結婚した主人公・なつ美(芳根)と、海軍勤めの硬派な夫・瀧昌(本田響矢)の夫婦の物語。近年のドラマではあまりなかったレトロな時代背景、夫婦がお互いを知ろうと少しずつ距離を縮めていく純粋な姿に心をくすぐられる視聴者も多い。視聴者が置きざりにされるような展開もなく、丁寧な描写も好評を博しているようだ。
同作の監督は、芳根の女優デビュー作「ラスト・シンデレラ」(フジ系)でも演出を担当した平野眞氏。本紙では11日付紙面で芳根のインタビューを掲載し、平野氏からコメントを寄せてもらった。その中で平野氏は芳根を「細かい芝居を要求できる人」と評した。「少し挑戦的な思いがありまして、私は10人のうち3人が分かる細かい芝居が好きでその芝居を芳根くんにチャレンジしてほしいと臨んできました」と述べた。 その細かい芝居の具体例として上げたのが、2話の貝殻を拾うシーンだ。「綺麗な貝殻を持った後『綺麗ですね』というセリフがあったのですが、彼女にやってほしかったのは貝殻の『綺麗』と瀧昌に対しての『綺麗』を両方の意味を入れて芝居してほしいとお願いしました」と明かした。
さらに「同じ2話で旅館に泊まった日の朝、パンフレットを2人で見るシーンでなつ美は瀧昌の隣に座るのですが、座る瞬間に『横に座ったことないしなあ、隣は嫌がられないかなあ、軽い女に見られないかなあ、でもいいや座っちゃおう』っていう芝居をお願いしました」と解説。「放送を観た人で分かった方もいらっしゃると思いますが、そういう細かい芝居を要求できる人なのです、芳根くんは」と全幅の信頼を寄せていることがうかがえた。
芳根がなつ美を演じたからこそ、生まれたと思うシーンも聞いた。それは15日に放送予定の4話の中にあるという。ネタバレにならない範囲での回答をもらった。「原作にもありますが、やっぱり4話の縁側のシーンですね。瀧昌を思うなつ美がすごくよく出ているロマンチックなシーンです。『相手を思う芝居』をよく理解している芳根くんがすごく出てました」と絶賛。そのシーンには2つの意味があるという。「瀧昌を思うなつ美というお芝居と、本田くんが演じやすいようにお芝居をする芳根くん、という意味です。とても楽しみにしていて実際リハーサルからワクワクさせてくれました」。ドラマファンにとっては、当日の放送がじらされるようなコメントだ。
改めて、ドラマはもちろん、あらゆるエンターテインメントは細部まで作り手の工夫が宿っていることに気付かされる。どんなこだわりが詰まっているのか、想像しながら放送を楽しみに見ていきたい。【望月千草】



