3回の宇宙飛行経験を持つ元宇宙飛行士の野口聡一氏(60)が24日、東京・都立駒場高校で、「こどもスマイルムーブメントアンバサダー 野口聡一さんによる特別授業」を開催した。

「こどもスマイルムーブメント」とは、東京都が推進する、子供を大切にする機運を高めるために官民一体でさまざまなアクションを展開するプロジェクト。

この日、野口氏は1年生と2年生の生徒合計約700人に向け、自身の宇宙飛行士としての経験を交えて自己との向き合い方を話し、また、感情・思考を深める問いかけを行った。

「宇宙飛行士になりたいと思ってから門をたたくまで15年くらいかかった」という自身の経験から、「夢とは、すぐにかなうものばかりではない」とメッセージを送った。続けて「むしろ、長い時間をかけてちょっとずつ近づいて、それまでの経験が無駄にならない形で実現する夢もあると思います」と語った。

「途方もない大きな目標、それだから夢と呼ぶ」とも話し、「いきなりかなわない夢であれば、小さなステップに落とし込む。なおかつ最終的なゴールからは目を離さない」。受験勉強のたとえも交え、エールを送った。

また、活動の場所をNASAに移して訓練を始めた当時を振り返って「環境が急に変わる時はストレスもあるし、劣等感、落ち込みを経験すると思う。心の浮き沈みを感じる時こそ、自分の能力としては伸びている。成長できる環境に行ったと思ってもらえるといいな」とこれから進路決定を控える生徒たちの背中を押した。

さらに、チームワークを高める3つの秘訣(ひけつ)を紹介。

▼「Know your job,do your job,and communicate」(任された仕事を理解して実行し、仲間とコミュニケーションを取る)

▼「Keep big picture」(視野を広く、全体を見通す)

▼「Don't hide your mistakes」(失敗を隠さず、共有して克服する)

国際宇宙ステーションに滞在するなどチームワークが欠かせない日々を送った野口氏からのメッセージに、生徒は深くうなずいて聞いていた。