気がつけば2026年を迎えた。年が変わって初めてのコラムは、新年の抱負を交えて書く。

記者の抱負とは、ずばり「マルチタスクに強くなること」。昨年苦心したことの1つに、同時並行の作業がある。今年はその部分を強化し、より丁寧に、より視野を広く業務に取り組めたら良いなという次第である。そんな思いを抱く記者は、昨年末、取材を通して大きなヒントを得た。

昨年12月末に乃木坂46梅澤美波(26)を取材する機会に恵まれた。2025年を振り返っての思いや、紅白歌合戦出場への熱い思いを主に取材したが、活動を振り返った際、話題は夏のライブツアーに及んだ。

昨年の「真夏の全国ツアー」は、7月に北海道で始動し、9月に東京で千秋楽を迎え、全7都市16公演で約26万人を動員した。その間、梅澤はミュージカル「梨泰院クラス」の上演や、映画「九龍ジェネリックロマンス」の舞台あいさつなどを並行して活動していた。各地を回るツアーのリハーサルと公演にミュージカル、舞台あいさつなどが重なると、体力も相当削られるであろうことが想像できる。

その点について記者が投げかけると「本当に駆け抜けたなって思います」と振り返った後に、意外な答えが返ってきた。

「スケジュール的には大変だったところもあったかもしれないけど、個人的に、全然ジャンルの違うお仕事を抱えている方が気持ちの整理がつけやすいです」という。

仕事に向き合いすぎるあまり「頑固になってしまう時もあるし、ずっと同じ事を考えていると、柔軟に考えられない時がある」と続け、「違う現場に行って違う作業をすることでいろんなところから刺激をもらって、気持ちの整理がつきやすくて、動きやすい夏だった気がします」と爽やかに振り返った。

また、グループを離れて仕事をすることで「客観的にメンバーを観察できた」といい、「ハードというよりは、楽しくバタバタと過ごせた夏でした」と統括した。

記者はこの時点でとても驚いていたが、続けて自然とそう思えるのか尋ねてみると「本当に時間がかかったと思います。私も10年目で、このお仕事はこうやってやるとうまくいくな、とか、調子が良くなるな、とか、時間をかけて見つけてきたものがあるので、年数を重ねてやっといろんなことがさばけるようになってきました」と丁寧に話してくれた。

驚くほど、すんなりと心に入ってくる言葉の数々だった。記者は取材後、「ずっと同じ事を考えていると、柔軟に考えられない」という考え方を早速取り入れている。思考が凝り固まる前に、リフレッシュがてら他の仕事に着手する。その行為自体が柔軟な思考につながるのではないか、と思う。当然、一朝一夕で成るものではないが、日々精進を続けたい。

記者もいつかは、さまざまなことが重なったタイミングを「楽しくバタバタと過ごせました」とかっこよく振り返ってみたいものだ。深く聞き入り、非常に勉強になったと感じると同時に憧れも抱く、そんな取材の一幕となった。【寺本吏輝】