お笑い芸人の小籔千豊(52)が13日、都内で大塚澪(れい、29)の初の著書「ゾンビメンタル どんなにヘコんでもすぐに復活する人の思考法」発売イベントに出席し、「ダメ出し」についての持論を展開した。

自身が座長を務めていたころに、吉本新喜劇に入ってきた大塚の初の著書イベントに同席。大塚がまだ20歳か21歳だったころに音大を中退し、「エロオペラ」と称してオペラを歌いながら亀甲縛りしていくネタを披露すると、小籔がすぐにダメ出ししたという。その理由について、5分余りにわたって熱弁を振るった。

小籔 大阪の番組で、かまいたちと僕が見てて、宴会芸をみんながやって、僕とか、かまいたちが点数をあげる、みたいな。基本的に、粗削りな子が多いんですけど、そこに出てきて「エロオペラします」と。キレイな歌を歌いながら、自分でひもをくくっていくわけですね。そういうのがあると、テレビに出るきっかけになるんじゃないかと(思っていたはず)。テレビで1発当てて、という考え方はいいと思うし、僕も推奨していること。でも、若い女の子が自分で体を縛りだして…。どちらかといえばキレイめな方。「おもしろい」というお笑いとして見るよりも、女性的な「エロいな」で、見られることも多くなる。エロい方向で仕事が増えた時に、本人が望んでいるならいいけど、きっと、この子はなんも分からんと「売れたらええねん」でやってるけど、もしも「エロオペラ」で売れたら、どこの番組に行ってもエロを要求されて、際どい水着を着せられて…。「それでも、かまへん」と思っているわけない。次に、おもろいいことをやれる機会がなくなる可能性が高いですよね。エロだと、お先真っ暗。本人のやりたいこととも違う。それでオンエア中、最後に「やめろ、こんなもん!」って、バラエティーの中でボケつつも、8割は本気で。ガッツはあるなぁ、とは思ったけど。

座長と新人というキャリアも年齢も離れた、親心のような気持ちから「エロオペラ」に、すぐにノーを突きつけていた。

自身が、先輩芸人からダメ出しを受けた際にも、芸人仲間や観客、ファンへの愛を感じた助言は心に響いたという。

小籔 昔は「声が小さい」と言われていたんです。「声が大きくてスベってるヤツより、なんで注意されなあかんねん」と思っていました。でも、新喜劇で「(寄席の)1番前の席の人も、2階席の人も、チケット代は同じお金を払っている。1番前の人が聞こえる量を、2階の人にも届けなあかん。それが毎日来ている人ならまだしも、1年に1度、5年に1度。遠いところから、やっと大阪に来たのに、声がちっちゃくて聞こえなかったら、かわいそすぎる。だからオレらは、声を大きくせなあかんねん」と言われて…。それまで「声、大きくせい」とか言われても「ハァ?」と、若い時は思っていました。でも、その言葉はスッと入ってきました。

先輩芸人から学んだ、愛あるダメ出しを継承してきた。「自分が座長の時に『小籔が一番、声出てるな』って言われた時は、ちょっとうれしかったですね」。言葉こそ厳しく聞こえるものの、核心をついた言葉を発する現在の小籔の芸風は、そんなバックボーンから、自然と身についたのかもしれない。