歌手三善英史(53)のはじけっぷりが話題になっている。昨年、テレビ番組でバイセクシュアルをカミングアウトしたのに続き、今月には「アデランス」のCMで“かつら”であることをオープンにした。「この年になったらバイセクシュアルも薄いのもキャラのひとつ」と笑っている。

 イメチェンのきっかけは2年前。所属事務所を移籍し、スタッフに「笑顔がイメージできない」と指摘されたことにショックを受けた。歌の路線に合わせて寡黙キャラを作ってきたが、本来はジョークが好きな陽気な性格。「世の中のイメージを変えたい」と申し出た。「昔は同性愛は『気持ち悪い』と言われたけど、今の若い人はおネエキャラに抵抗がない。隠すのもつらかったし、今は暗いと損な世の中なんだよね」。

 渋谷の花街、円山町の置き屋に生まれ、女性に囲まれ育った。「『オカマ』っていじめられたり、同級生の父親に襲われたり。自分で言うのも何だけど、ものすごくかわいかったんですよ」。妻はバイセクシュアルであることを知っているが、急なイメチェンの反応は「ビミョー」と笑う。

 かつらは猫っ毛対策で装着するようになった。「楽屋で自由につけたり外したりして、歌手仲間にも『三善君、ズレてるよ』とかチェックしてほしいのに、気を使うのか誰も何も言ってくれない。しょうがないから『アデランスだ』と言って回っていたらCMのお話が来たんです」。どしゃ降りの中でアデランスをかぶってヒット曲「雨」を歌う。ふさふさだった18歳当時の映像も流れ「残酷ですよねえ、わはは」。自然な装着ぶりに「ただ乗せりゃいいってモンじゃないんですよ」と自信をみせる。夏には「雨2008」もリリースする。新キャラで「流されてみる」覚悟だ。