歌舞伎俳優坂東玉三郎(62)が20日、人間国宝に決まった。会見では「後輩のためと言われ、引き受けさせていただいた。うれしさよりも責任を感じます」と話した。
女形の人間国宝は尾上梅幸、中村歌右衛門、中村雀右衛門、中村芝翫に次いで5人目。玉三郎は「功成り名遂げた方がなるもので、私はまだまだそういう立場にないと考えていました」と言うが、昨年以降、芝翫、雀右衛門が亡くなり、「後輩の指導、歌舞伎の将来のため」と受けることを決めた。
日本舞踊が好きで14代目守田勘弥の下で稽古を積んで養子になった。梨園(りえん)に生まれたわけではない。女形として高い身長などハンディもあった。「好きでやってきたので苦労を感じなかった。幸せなことに10代後半から抜てきしていただき、お役を務めるのに精いっぱいでした」。
気品ある姫役をはじめ、揚巻(あげまき)や阿古屋(あこや)など当たり役は多く、「鷺娘(さぎむすめ)」「京鹿子娘道成寺」では、たおやかな舞で魅了する。華やかさだけでなく、「役の向こう側の世界を感じていただける俳優でありたい」。
中国の昆劇との共作や、「鼓童」の芸術監督に就任するなど、活躍の場は広がっている。「充実した舞台作りに励みたい」。




