俳優上川隆也(47)が、今日6日に最終回を迎えるテレビ朝日系の主演ドラマ「遺留捜査」(木曜午後9時)の共演者三宅裕司(61)と対談し、同作への思いなどを語った。2人は創意工夫にあふれ、チームワークのいい現場だと実感しており、もし次期シリーズがあるなら「また同じメンバーでやりたい」と声をそろえた。今の共演者をいつまでも“慰留”したいようだ。
-16年ぶりの共演。互いの印象は
三宅
上川さんは16年前と髪形は違いますね。
上川
当たり前じゃないですか(笑い)。
三宅
当時は周りを気遣い、あまり前に出ず、後ろに下がるでもなく、いい感じの場所にいたよね。
上川
僕は3人姉弟の真ん中。ポジション取りは出すぎず、引っ込みすぎずが楽なんです。
三宅
今回は主役ですから、みんなをまとめなきゃという雰囲気。昔よりも、前に出るようになりましたね。
上川
当時から僕にとって三宅さんは、はるか上の方です。なのに、いつでも三宅さんから話しかけてくださる。心遣いをひしひし感じます。
-上川の演じる糸村はマイペースな刑事。三宅は平和ぼけの東署長。どんな意識で演じている
上川
昨年の第1シリーズで思ったのは、他ではお目にかかれない刑事にしたいということ。風変わりで常にマイペースな男として演じています。
三宅
見る人がふっと息を抜けるような雰囲気を心がけています。笑わせなきゃいけないセリフ、やりすぎず、ふわっと。署長はボケとツッコミでいえばボケ。ほかからはツッコミがあっても糸村だけは流してるのか何なのか分からない。そこが新しい。
-もし、上川に東署長のような上司がいたら
上川
ホッとするでしょうね。糸村のキャラクターを容認している。度量の広さを感じます。
-三宅に糸村のような部下がいたら
三宅
こういう部下はダメですね。チームワークを乱してますから。いい証拠を見つけるから救われてますが、それがなかったら相当嫌な男ですよ(笑い)。
-撮影現場は和やか。舞台俳優が多いことは関係あるのか
三宅
舞台は長い間、稽古して、芝居に携わる人が1つの作品を作る場。みんなが周りを盛り上げ、まとめようという雰囲気が強いです。八嶋智人君はうるさいですけど(笑い)。
上川
僕らが思いついた動きや芝居に監督、スタッフが柔軟に対応し、予定のなかったカットが増やされるもの珍しくない現場でした。創意工夫にあふれ、当意即妙にスタッフと俳優がやり合えました。
-チームワークの良さが人気の原動力のように感じる。続編をやるなら同じメンバーでという思いは
上川
まだまだ、このメンバーがどのように事件と向き合っていくか見ていたいです。
三宅
このメンバーいいですよね。
-メンバーを慰留したいということか
上川
はい。お後がよろしいようで。
-最後に最終話の見どころを
上川
いつもの時間内に収まるのかという内容です。緻密にしてアクティブ。
三宅
今までを超えるどんでん返しがあるかも。署長がダンスを踊るとかね(笑い)。
◆「遺留捜査」
テレビ朝日系で、11年4月期に第1シリーズが放送され、期間平均14・3%の視聴率を記録した上川隆也主演ドラマ。風変わりで単独行動を好む糸村聡刑事が現場の遺留品をもとに、難事件を解決する。被害者や遺族の思いを織り交ぜ、涙と感動を誘う。12年7月期からの第2作では、舞台を警視庁捜査1課から、月島中央署に移した。署長を三宅裕司、刑事課長を斉藤由貴、刑事課の一員を八嶋智人が演じている。
◆最終話
銃を持った男が屋形船に立てこもり、自殺と処理された女性の死を再捜査するよう要求。船にある人物も偶然乗り合わせ、思わぬ展開に発展する。