海外馬券発売レースが続いたことなどもあって、先月20日に発表されたカルティエ賞受賞馬に触れる機会を逸していました。遅ればせながら今年の欧州競馬をにぎわせた馬たちを紹介しましょう。
【年度代表馬/最優秀3歳牡馬】シティオブトロイ(牡3、A・オブライエン、父ジャスティファイ)米国産、アイルランド調教馬
前年の2歳王者シティオブトロイが年度代表馬に輝きました。シーズン初戦のG1英2000ギニーで9着に敗れ、不安な船出となりましたが、6月のG1英ダービーで本来の走りを取り戻すと、古馬初挑戦となったG1エクリプスSも難なく制し、ドゥレッツァが参戦したG1英インターナショナルSにも勝って欧州最強をアピールしました。ダート初挑戦となった11月のG1ブリーダーズカップクラシックは終始後手に回って8着に敗れましたが、3つのG1勝ちが評価されました。来春より米3冠馬ジャスティファイの後継馬としてアイルランドのクールモアスタッドで種牡馬入り。初年度の種付料は7万5000ユーロ(約1200万円)となっています。
【最優秀3歳牝馬】ポータフォーチュナ(牝3、D・オブライエン、父カラヴァッジオ)アイルランド生産・調教馬
日本に輸入されているカラヴァッジオを父に持つポータフォーチュナが3歳女王に選ばれました。シーズン初戦のG1英1000ギニーは2着でしたが、ロイヤルアスコット開催のG1コロネーションSで昨年の最優秀2歳牝馬オペラシンガーを退け、7月のG1ファルマスS、9月のG1メイトロンSまでマイルのG1を3連勝。米国のBCマイルはモアザンルックスの8着となって、シーズンを終えました。陣営は来年も現役続行を決めています。
【最優秀2歳牡馬】シャドウオブライト(牡2、C・アップルビー、父ロペデヴェガ)英国生産・調教馬
7月のデビュー戦と8月の一般戦を連勝。重賞初挑戦のG2ジムクラックSは2着でしたが、9月のG1ミドルパークSを4馬身差で完勝。続くG1デューハーストSにも勝ってG1・2連勝でシーズンを締めくくりました。来年のG1英2000ギニーの前売りオッズは2戦目のG3エイコムSをレコード勝ちしたザライオンインウィンターに次ぐ人気になっています。
【最優秀2歳牝馬】レイクヴィクトリア(牝2、A・オブライエン、父フランケル)アイルランド生産・調教馬
6月のデビュー戦を快勝し、2戦目のG3スイートソレラSで重賞初制覇。その後も9月のG1モイグレアスタッドSと、同月末のG1チェヴァリーパークSを連勝、米国遠征で臨んだBCジュヴェナイルフィリーズターフもG1阪神ジュベナイルフィリーズに参戦したメイデイレディに1馬身半差をつけて、無傷の5連勝を飾ったレイクヴィクトリアが2歳女王となりました。来春のG1英1000ギニー、G1英オークスともに1番人気に推されています。
【最優秀古馬】チャリン(牡4、R・ヴェリアン、父ダークエンジェル)アイルランド生産、英国調教馬
マイルCSに参戦した芦毛のチャリンが古馬王者に選ばれました。ロイヤルアスコット開催のG1クイーンアンSでG1初制覇を飾ると8月のG1ジャックルマロワ賞も連勝。9月のムーンランドロンシャン賞はトリバリストの逃げ切りを許して2着に終わりましたが、10月のG1クイーンエリザベス2世Sでは2着ファクトゥールシュヴァルに2馬身差をつけて完勝。引退レースとして臨んだマイルCSはソウルラッシュの5着でした。父は今年の英愛チャンピオンサイアーに輝いたダークエンジェルです。来春よりフランスで種牡馬入り、交配料は3万5000ユーロ(約560万円)となっています。
【最優秀スプリンター】ブラッドセル(牡4、A・ワトソン、父タスリート)英国生産・調教馬
ホリー・ドイル騎手とのコンビでシーズン初戦のセルクル賞に優勝、8月のG1ナンソープSと9月のG1フライングファイブを連勝したブラッドセルが短距離王となりました。シーズン最後に選んだBCターフスプリントは11着。来春から英国のナショナルスタッドで種牡馬入りします。初年度の種付料は1万ポンド(約195万円)。
【最優秀長距離馬】キプリオス(牡6、A・オブライエン、父ガリレオ)アイルランド生産・調教馬
6月のG1アスコットゴールドC、7月のG1グッドウッドC、9月のG1愛セントレジャー、そして、10月のG1カドラン賞までG1・4連勝を含む7連勝と、このカテゴリーで無双をアピールしたキプリオスが、一昨年に続いて長距離王に輝きました。エイダン・オブライエン調教師は来シーズンも現役続行を表明しています。
【功労賞】ジェシカ・ハリントン調教師
アイルランドを代表する女性調教師ジェシカ・ハリントン師に功労賞が贈られました。総合馬術競技のアイルランド代表選手として活躍、1989年に夫のジョニー・ハリントンとともに調教師ライセンスを取得、アイルランドのカラ競馬場の近くに調教施設を構えて平地と障害の双方で活躍馬を送りました。2010年にパスフォークでG1愛ナショナルステークスを制し、平地G1に初優勝、18年にはアルファセントーリでG1愛1000ギニーからG1ジャックルマロワ賞までG1・4連勝を飾って同年のカルティエ賞最優秀3歳牝馬を受賞。マジカルラグーンでG1愛オークスを制し、今年もホッタズヘルでG1フューチュリティトロフィーに優勝しています。22年10月に乳がんを患いましたが、治療を受けながら精力的に活動を続けています。
(ターフライター奥野庸介)
※競走成績などは2024年12月13日現在



