世界ランキング5位の渡辺勇大、東野有紗組(日本ユニシス)が、同13位の■俊文、謝影雪組(香港)を下し、銅メダルを獲得した。メダルラッシュが期待されながら苦戦が続いてきたバドミントン日本勢にとって、今大会初のメダル獲得となった。

渡辺は「やっぱりメダルを取るのと取らないのとではぜんぜん違う。先輩方がつくってくれたレールを、さらに延ばすことができた。東京五輪でこうしてメダルを獲得できて誇りに思う」と喜んだ。

勝利が決まると、コートで抱き合って歓喜をわかち合った。東野は「本当に幸せだった。お互いにつらいことがたくさんあり、勝てない時期もあったが、遠藤さんと3人で頑張れた」と涙ぐんだ。

第1ゲームを21-17で先取。第2ゲームはリードされる展開を追い付くと、その後は一進一退の攻防が続いたが、23-21で競り合いを制した。渡辺は「最後は気持ちの勝負しかなかった」と振り返った。

東京都出身で24歳の渡辺と、北海道出身で1学年上の東野が出会ったのは、それぞれの進学先であるバドミントンの強豪福島・富岡第一中。東日本大震災が発生した2011年3月はそれぞれ中1と中2だった。学校所在地は原発事故発生現場からほど近い場所。不安な日々を過ごしたのち、生活と練習の拠点を福島県猪苗代市に移して5月に部活動再開。翌年にペアを結成した2人は息の合ったプレーを繰り出し、着実な足取りで世界への階段を駆け上がってきた。

被災から10年後の開催となった復興五輪。かつて渡辺は、「恩返しする最高の場所だと思う。少しでも元気や勇気を与えられれば」と話し、東野も「福島で成長させていただいた。今でも応援してもらっているという気持ちが強い」と話していた。2人で力を合わせて戦い抜き、第2の故郷への思いを、混合ダブルスでは日本初のメダルという形で結実させた。

※■は登るの右に郊のツクリ