侍ジャパンが、歓喜の頂点に立った。東京オリンピック(五輪)の野球決勝で、日本が2-0で米国に競り勝ち、公開種目だった84年のロサンゼルス五輪以来、正式種目としては初の金メダルを5連勝で獲得した。

甲斐が侍の扇の要を全うした。準決勝に続き、決勝でもブルペン電話を活用して救援陣とコミュニケーション。栗林ら若い投手陣の好投を引き出し、完封リレーに導いた。バットでも、決勝トーナメント初戦・米国戦でサヨナラ打を放つなど存在感を発揮し、捕手としてベストナイン入り。「自分のプレーよりも、チームが勝ったというのが一番」と喜んだ。

今大会の代表を負傷辞退した広島会沢とは19年プレミア12で共闘した。当時は会沢が正捕手格で「会沢さんを見ていて、もっと僕も成長しないといけないと感じた。自分自身、強くなっていかないといけないと感じさせてくれた存在」。この舞台に立てなかった仲間の思いも胸に、梅野と協力し寝る間も惜しんで相手国を研究した。「苦しかったですね。でも、こうやってみんなで喜び合えてうれしい」。重圧から解放された顔で笑った。