国際オリンピック委員会(IOC)と東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会は5日朝、サッカー女子の決勝(6日午前11時キックオフ、国立競技場)に進出したカナダとスウェーデンが試合時間の変更を求めていた件について、変更予定はないと回答した。

日本の猛暑を避けるため同日のより遅い時間帯への変更を主催者側に要求していたが、IOCのマーク・アダムス広報部長が「現時点でスケジュール変更の予定はない。組織委員会とFIFA(国際サッカー連盟)が話し合って決めるものだが、現時点では変更はないと聞いている」と説明した。

試合会場の国立競技場は今週前半の陸上競技中、気温が40度に達したことがあったといい、カナダとスウェーデンの両イレブンが健康面に不安があると懸念していた。

午前11時は米東部時間の午後10時。米国で五輪の独占放映権を持つNBCが、2大会ぶり最多5度目の金メダルを狙っていた米国の決勝進出を見越して時間設定したとみられるが、米国は準決勝でカナダに敗れ、5日午後5時からの3位決定戦(対オーストラリア)に回っていた。

猛暑のためテニスの時間変更が取り沙汰されていた7月29日にも、女子サッカー決勝の時間変更の可能性はないか定例会見で質問されていたが、アダムス広報部長は「マラソン・競歩会場を札幌に移動したり、可能な限りの対策はしてきた」。組織委の高谷正哲スポークスパーソンも「少しずつ気温が上がって厳しいコンディションになっているが、都度都度、ベストの選択をしてきている」と時間設定の理由を説明。その上で「時間変更については議論されていない」と当時も答えていた。

関係者によると、準決勝の後にFIFA、IOC、組織委が最終協議。5日夜になって、女子決勝を6日午後9時から日産スタジアムに変更。試合時間が重なることを避けるため、男子3位決定戦のキックオフも午後8時から同6時に前倒しされた。会場は埼玉スタジアムで変わらない。【木下淳】