白血病から復帰した池江璃花子(20=ルネサンス)は57秒77で3年ぶりに優勝した。400メートルメドレーリレーの東京代表選考も兼ねており、派遣標準記録は57秒92。このタイムを切って優勝したことで、メドレーリレーの代表に内定した。

24年パリ五輪を目指すと話していた中、奇跡的な復活Vを遂げて涙が止まらなかった。代表は、大会後に選考委員会などをへて正式に決まる。

試合後の一問一答の一部は以下の通り。

-58秒1が出ればいいと

池江 タイムは、本当に8秒1くらいが出ればいいと思っていた。正直7秒(57秒)台が出ると思っていなかったですし、順位が「1」と出た瞬間に驚きました。うれしかったですし、とにかくビックリして、何が起こったか分からないというか、本当に整理がいまだについていないような感覚です。

-昨日の泳ぎ、身体のキレなどは

池江 昨日1本目の予選のレースで、まあまあいい感じで泳げているな、という感じがしていたので、2本目の準決勝はやっぱり2本目の疲れということもあって、体が後半、動かなくなったりしていたのですけど。今日1発だけのレースなので、そこに関してはそんなに心配はないかなと思っていたし、あとは予選、準決勝でターンが2回とも合わなくて、それがちょっと不安要素ではあったんですけど、スタートのドルフィンキックの回数とかを変えて調整しました。

-隣を見る余裕は

池江 ラスト25(メートル)か15ぐらいで、一瞬チラッと見た時に、迫っているのが見えたので。これは体力的に考えても長谷川選手に追いつかれるだろなと、思っていたんですけど、タッチしたら意外と0秒3ぐらいタイムの差があった。ちょっとそこも、意外と追いつかれていなかったんだと思いました。

-課題だったラスト20メートルで踏ん張れた要因

池江 ラスト10メートルで、一気に腕が回らなくなって落ちるレースを予選、準決でやっていたので。そこをどう1日で改善するかを、とにかく考えた。前半いって逃げ切るのもそうなんですけど、前半はいきすぎても後半浮いてしまうので、前半は気持ち良く周りを見ないで、自分のペースで泳いで。後半のラスト10に関しては、予選、準決では足が全く入っていなかったので、入れるように改善してみました。

-きつさ等は

池江 もう覚えていないです。はい。

-ここまでの道のりで1番に頭をよぎったこと

池江 誰に泳いでも勝てなかった時のことを1番に思い出しましたし、1発目に200のバタフライを泳いだ時のことを考えても、やっぱり自分には、まだ100のバタフライで活躍できるのは、まだ先のことなんだなと思いましたし。ただ、今回もし負けても来年はもう負けることはないだろう、という気持ちで、このレースに挑んでいたので。今回はしっかり優勝できて、ものすごくうれしいですけど、このタイムで世界と戦えるかと言われたら、そういうタイムではないので、さらにこれから高みを目指していきたいと思います。

まだ正直、リレーなので実感がわいていない。もちろんうれしい気持ちはものすごくあるんですけど、本当に自分が内定しているのか、複雑な感情というか、難しい。しっかり確実に出場することが決まったら、東京五輪へ向けて、さらにタイムを伸ばしていくのを目標にしますし、5年前のリオの選考会の時も決勝で27秒7で泳いでいて、ほぼ変わらないタイムだったので、そういう本番でタイムを上げられる練習を積んでいけたらいいなと思います。

-24年パリ五輪を1番の目標にしていた。東京五輪へのチャレンジは、いつごろ頭に

池江 バタフライでは全く可能性があると思っていなかったので、行けるとしても、100メートル自由形のリレーかなと思ってて。しっかり練習も100の自由形は積んできている、というのは若干、頭にあったり、なかったりという感じ。でも、行けなくてもいいかという気持ちでもあり。

ただ、もし出られるとなったら、やっぱり経験として東京を1回経験して、次の五輪につなげられたら、またそれはそれで、すごくいい自信を持ってレースに臨めるんじゃないかなと思います。