石川佳純(28=全農)が12年ロンドン五輪以来の準決勝進出を逃した。シンガポールのモンユ・ユ(31)に1-4で敗戦。男子の張本、丹羽も前日敗れたため、日本のシングルスに残っているのは女子の伊藤美誠だけとなった。伊藤は午後3時に準々決勝を戦う。

世界ランキングは石川が10位、ユが同47位だが「苦手なタイプ」と語った。試合展開について「2ゲーム目からボールを切ってきて回転の変化に焦り、自分の速い展開に持っていけなかった」と悔やんだ。

第1ゲームを先取したもの残り4ゲームを連続で落とした。石川は第3ゲームを敗因に挙げた。10-8とゲームポイントを握ったが、最終的に12-14で奪われた。「攻めとしては悪くなかったけど、打つコースが単調になってしまった」と悔やんだ。最終ゲームは最初から10連続失点。「何をやっているか分からなかった」。万事休すだった。

五輪での取材は最初はテレビ、その次に新聞各社という流れ。テレビの取材では見せなかった涙だが、新聞各社のミックスゾーンでは涙を我慢できなかった。十数秒、言葉をつまらせ、質問に答えられなかった。

ロンドン五輪では準決勝で敗退し、3位決定戦でも敗れて個人メダルを逃した。16年リオデジャネイロ五輪では無念の初戦敗退(3回戦)。今大会は初の個人メダルを狙っていたが、かなわなかった。

団体戦へ向け「主将として気持ちを切り替えてやらなければならない。団体戦の練習もたくさんしてきた。全てをコートにぶつけたい」と涙をかみしめて言った。【三須一紀】