中国人同士の決勝を制したのは馬龍(32)だった。

男子シングルス初の五輪連覇だ。世界ランキング3位の馬が同1位の樊振東(24)を4-2で撃破した。

第4ゲーム、10-9に追い上げられ、右手でほおをたたき自ら鼓舞する。相手のサーブを右利きの樊に対し、バックハンド側に振る。ストレートに帰ってきたボールを今度は対角線にフォアで強振。樊は左右に大きく振られボールに届かない。ゲームカウントを3-1とし、一気に馬に流れが傾いた。

3-2で迎えた第6ゲーム。馬は11-7で連覇を決めた瞬間、両手で頭の上に2つの輪をつくり「ハート」ポーズで喜びを表した。

五輪初出場だった中国の若きエース樊にはまだ金メダルは譲れなかった。19年世界選手権個人戦で3連覇を達成した馬。五輪も12年ロンドン五輪団体、16年リオデジャネイロ五輪のシングルスと団体に続き、4個目の金メダル。東京でまた「馬龍伝説」が生まれた。【三須一紀】