【西武・菅井信也】内海哲也に「僕とかぶる」と言わせ、あの阪神を押さえ込んだ左腕

西武は今季、シーズン5位に終わったものの、チーム防御率はリーグ2位でした。高橋、今井、平良の10勝トリオも誕生し、ファームに目を移しても実は魅力の宝庫。将来を嘱望される1人、育成左腕の菅井信也投手(20)にここまでのプロ2年間を尋ねました。

プロ野球

◆菅井信也(すがい・しんや)2003年(平15)6月28日生まれ、山形・南陽市出身。小学3年時に赤湯ワイルドキッズで野球を始める。赤湯中では軟式野球部。山本学園では1年夏からベンチ入り。背番号1は同年秋から。3年夏の山形大会では3回戦で敗退も、計15イニングで30三振を奪い「山形のドクターK」と称される。甲子園出場経験なし。21年育成ドラフト3位で西武に入団。今季はイースタン・リーグ15試合に登板し、4勝2敗、防御率3・12。182センチ、75キロ。左投げ左打ち。今季推定年俸280万円。

高卒2年目 イースタンで成長中

フェニックスリーグのまっただ中、宮崎・南郷スタジアムの一室に、練習を終えて入ってきた。

「菅井です。よろしくお願いします」

西武担当1年目、面と向かってゆっくり取材させていただくのは恐縮ながら10月にして初めて。それでも「菅井です」と切り出せるのがさわやかだ。

どの世界でもそう。あいさつをしっかりする人と、ケース・バイ・ケースの人、けっこうおざなりな人。みんな違う。菅井はそんなに話したことがなくても、いつもさわやかだった。

山本学園時代の菅井=2020年9月

山本学園時代の菅井=2020年9月

山本学園高校の先輩、粟津凱士投手(26)のあいさつもさわやか誠実タイプだから「あぁ」とうれしく思ってしまう。

投手としても気になる存在ではあった。1月の自主トレ。まだ寒いのに、室内練習場の片隅で勢い豊かな球を投げていた。シーズン中も2軍イースタン・リーグではじわじわと成績を上げ、QS(6投球回以上、自責点3以内)も今季、夏場以降だけで4度マークした。

同期入団の羽田慎之介投手(19)、黒田将矢投手(19)がいずれも高卒2年目にして150キロ台中盤をたたき出し、将来性が高く評価されている。

しかし黒田に羽田へのライバル心を聞くと「菅井もです」と添える。

新人合同自主トレで外野を走る、左から羽田慎之介、黒田将矢、菅井=2022年1月

新人合同自主トレで外野を走る、左から羽田慎之介、黒田将矢、菅井=2022年1月

「うれしい…けど悲しい」

一番驚いたのは、今季2軍投手コーチを務めた内海哲也氏(41=巨人1軍投手コーチに就任)に、西武での最終日に取材した時のこと。

「西武には羽田投手や黒田投手など若手の有望株も多いですが、彼らの今後への思いは?」

そんな感じで尋ねた。内海氏はこう返してきた。

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1980年11月、神奈川県座間市出身。法大卒、2003年入社。
震災後の2012年に「自転車日本一周」企画に挑戦し、結局は東日本一周でゴール。ごく局地的ながら経済効果をもたらした。
2019年にアマ野球担当記者として大船渡・佐々木朗希投手を総移動距離2.5万キロにわたり密着。ご縁あってか2020年から千葉ロッテ担当に。2023年から埼玉西武担当。
日本の全ての景色を目にするのが夢。22年9月時点で全国市区町村到達率97.2%、ならびに同2度以上到達率48.2%で、たまに「るるぶ金子」と呼ばれたりも。