久保が左をえぐり、堂安がニアサイドに走り込んで、左足ダイレクトで得点した。実は、堂安はこの得点パターンを得意としている。ホンジュラス戦(12日)でもニアに走り込んで、相馬の左からのクロスを点で合わせている。堂安のこの特長が事前にスペイン代表に知られていても、得点できたのだろうか。五輪本番直前に、手の内を2試合連続で明かしてしまった。間違いなく南アもメキシコもフランスもメモ帳に一筆加えるだろう。

スペインは、五輪に向けた調整の試合をした。日本の気候や芝、環境に慣れるための試合だったはず。一方、日本は本番同様の試合をした。選手1人1人の表情で見て取れるほど、勝ちにこだわった。両サイドが上がらず、守って守って1チャンスにかけた。得点直後の喜び方はとても親善試合のものではなかったね。

相手に中盤を支配されて走らされたが、11人交代ルールをうまく利用して最少失点で耐えた。押された展開で耐えるテストはできたが、そこでどう攻撃に転じるかのチャレンジはなかったな。せっかくのいい相手に、危険を冒しての挑戦ができなかったことは痛いね。(日刊スポーツ評論家)

U-24日本対U-24スペイン 前半、ボールを奪う堂安(右端)(撮影・前田充)
U-24日本対U-24スペイン 前半、ボールを奪う堂安(右端)(撮影・前田充)