京都・亀岡市に新設されたサンガスタジアムのお披露目となるJ2京都サンガとのプレシーズンマッチで、セレッソ大阪のFW都倉賢(33)が「復活」をアピールした。

昨年5月に右膝前十字靱帯(じんたい)損傷と右膝外側半月板損傷の大けがを負い、試合に出場できない状態が続いていたが、前日8日の練習試合に続き、この日も後半から入り、1ゴールをあげた。

2-1とリードした後半39分、場内に都倉の投入が告げられるとサポーターから「都倉」コール。新スタジアムは、観客席最前列からピッチまで7・5メートルと近く、相手ゴールはC大阪サポーターの目の前。最前列でプレーしていたため、ゴール前では大きな歓声がこだました。

その最中、後半のロスタイムだった。都倉がこぼれ球を左足でシュート。ネットに突き刺さった。

前日の練習試合で実戦復帰したばかりの都倉は「疲れも残っていたので、監督が使うのかわからなかったですけど、短い時間のなかで結果を残すことができたのがよかった。昨日、今日と実戦をけがなく終えられたことが、僕自身、コンディションを上げるという目的においては重要な2日間だった」と喜んだ。

復活に至るまで、担当のメディカルドクターや、トレーナーが休み返上で復帰に尽力してくれたという。「僕1人ではここまで来られなかった」と苦しい日々を振り返った。

ロティーナ監督(62)は「トク(都倉)は少しプレーできました。彼の回復がチームにとって重要。(今日のできは)満足している」と語った。

今季のリーグ初戦は、22日の大分トリニータ戦(ヤンマー)。都倉は「僕自身少しずつやれる実感だったり、手応えはあるので、より多くの時間に出られることがベストだと思います」。頼れる男の復帰で、クラブ悲願のリーグ初制覇へ突き進む。【南谷竜則】