神戸が今季の特別ルールを生かした「4枚代え」も実らず、大分と1-1引き分けに終わった。疲労を考慮しMFアンドレス・イニエスタ(36)が今季初のベンチ外など、前節から先発6人を入れ替えた。FW古橋亨梧(25)の開始16秒弾で先制も、その後は攻撃が停滞。今季に限り3→5に増えた交代枠を活用し、後半30分に一気に4人を投入。過密日程の先を見据えた戦略で勝ち点1を手にした。

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神戸フィンク監督は勝ち点3と先の展望を同時に奪うために動いた。1-1の後半30分、20歳のMF佐々木、18歳のFW小田ら一気に4選手を投入。今季に限って適用された交代枠3→5の特別ルールをフル活用した大胆策だった。

フィンク監督は狙いを「(1週間に2度の)九州への移動で疲労もあり、フレッシュな若い、走れる選手を入れようと思った」。イニエスタが今季初のベンチ外など、先発は6人を入れ替えた“純和製”布陣で臨んだ。FW古橋の開始16秒弾で先制も、その後は押され気味で攻撃も停滞。その流れを変えるため、さらに厳しい秋の戦いを見据えて思い切った手を打った。

ただでさえ過密日程だが、ACLも戦う神戸はさらに過酷だ。中断中のACL1次リーグは10月に再開、同23日から11月1日の10日間に4試合が組まれる。指揮官は「勝ち点3はほしかったが、短い期間の長いシーズン。連戦が続くので、今のうちに若い選手やベンチの選手にリズムを与える必要があった」と先を見据えた起用を明かした。

抜てきされた佐々木、小田は見せ場を作った。勝ち点3は奪えなかったが、秋に向けて戦力の底上げという収穫を手にした。