サンフレッチェ広島が会心の勝利を挙げ、6戦不敗で9位から8位へ浮上した。

勝利の立役者は、この試合がJ1通算385試合出場となった大ベテラン、MF青山敏弘(34)だった。

前半24分だ。青山が自陣左サイドから1タッチのロングパスを前線に供給すると、MF東俊希(20)も敵陣左の深い場所から1タッチで中央へ。セレッソ大阪DF瀬古がヘディングでクリアしたが、そのこぼれ球をFWレアンドロ・ペレイラ(29)が右足で今季14点目となるゴールを決めた。素早い攻撃で相手を完全に崩し、最後は個人技で得点。大阪まで駆けつけたサポーターも大喜びだった。

「相手にボールを取られた瞬間もプレッシャーに行けていたし、自分たちの出足の良さというか、連続したプレスが効いていて、そのぶん自分たちの時間がつくれた。相手にとって嫌らしいところにボールを入れることもできた。練習で狙いとしていた、中に打ち込むプレーもできたのでよかった」

後半途中からはレアンドロ・ペレイラが退場処分となり、残り約30分間は10人で守り切った。決定機は何度かつくられたが、シュート自体は全部で6本しか許しておらず、いかに守備が機能していたかを物語っている。

引いて守り続ける展開に、青山は「割り切るしかなかった。展開は外に追い出す、外からの球にはウチは強いので待って守ることができた。こういう時にチーム力は試されたと思う。練習でもしてなかったことを臨機応変にできた。自分たちの成長する姿を見せられた」と胸を張った。

城福浩監督(59)就任3年目の今季、5年ぶりのJ1リーグでの優勝はできなかったが、ぶれないチーム作りはJ屈指。来季へ向けて収穫の多いシーズンとなっている。【横田和幸】