第100回全国高校サッカー選手権(12月28日開幕、東京・国立競技場ほか)の組み合わせ抽選会がオンラインで行われ、東北勢の対戦カードが決まった。2大会連続準優勝の青森山田は同31日、大社(島根)との2回戦から登場。3大会ぶり3度目の全国制覇を目指す。仙台育英(宮城)は滝川二(兵庫)、尚志(福島)は瀬戸内(広島)、専大北上(岩手)は奈良育英、秋田商は東福岡、羽黒(山形)は岡山学芸館と、それぞれ初戦を迎える。決勝は来年1月10日、8大会ぶりに国立競技場で開催される。

25大会連続27度目出場の青森山田が王座奪還を虎視眈々(たんたん)と狙う。過去5大会で4度決勝進出し、16、18年度が優勝。19年度は決勝で2点先行しながら静岡学園に2-3で逆転負け。20年度は山梨学院に2-2からのPK戦で屈し、2大会連続で「まさか」の準優勝だった。飛び級のU-22日本代表で、J1のFC東京に来季加入内定の松木玖生(くりゅう)主将(3年)は「青森に優勝旗を持って帰れるようにしたいです」。3大会ぶりの日本一へ闘志を燃やす。

松木にとって3度目の全国選手権だ。高校1年から超名門のスタメンに定着。2年時からはOBの日本代表MF柴崎岳(29=レガネス)も背負った背番号「10」をまとう。ボランチやシャドー(中盤1・5列目)が主戦場のMFとして大会通算で10試合6ゴールと、まばゆい輝きを放つも「すごく悔しい思いもしてきました」と2大会連続で無念の銀メダルを首から下げた。「自分たち3年生にとっては3年間の集大成。今まで積み上げてきたものを思う存分に出せるように、いい大会にしたいです」。最後は笑って終わる。

高校サッカー界のトップ選手がそろう。J2のFC町田ゼルビアに来季加入内定のMF宇野禅斗、藤森颯太、FW名須川真光(まさき)らは前回大会で実績を積み、DF三輪椋平、丸山大和(いずれも3年)のセンターバックコンビも鉄壁だ。松木は「例年に比べてすごく個々の能力が高く、それに合わせたチーム力も自分たちの持ち味です」と自信を示す。

大社とは15年度大会の1回戦で対戦し、3-2で競り勝った。「まずは初戦を大事に、先を見ずに一戦必勝をテーマに、青森山田らしいサッカーで勝ちにいきたいと思います」。今夏は全国高校総体で16年ぶり2度目の優勝、開催中のプレミアリーグEASTは首位。3冠を掲げる青森の常勝軍団は選手権でも主役の座を譲らない。【山田愛斗】

<1本中の1本磨く>

青森山田が1本中の1本にこだわる。PK戦で明暗が分かれた前回大会決勝では、延長を含む110分でシュート24本を放つも2得点。一方の山梨学院はシュート7本(枠内2本)で同じ2得点。黒田剛監督(51)は「日ごろのトレーニングから1本中の1本を沈めていくことを積み重ねて初めて結果が出ます」と強調する。「今年は青森山田が優勝候補といわれますが、そういう部分をかなり詰めないと優勝できないし、そこは残り1カ月半で磨いていきたいポイントです」と話した。