「ソユスタ今季初勝利」だ! ブラウブリッツ秋田が1-0でアルビレックス新潟を下し、今季初のホーム戦を白星で飾った。0-0で迎えた後半26分。途中出場のFW吉田伊吹(24)が、値千金の先制ゴールを奪った。試合終了間際には相手の猛攻を受けるも、チーム一丸で耐え抜き、虎の子の1点を死守した。J2リーグ2年目の今季はここまで2勝2敗。今後にもつながる本拠地での勝ち点「3」をつかんだ。

雨中のピッチで最後に笑ったのは秋田だった。試合終了間際から続いた相手の猛攻を耐えしのぎ、1点リードのまま、ホイッスルが鳴り響いた。吉田謙監督(52)はベンチ前で渾身(こんしん)のガッツポーズ。首脳陣、選手らと抱き合い、喜びを爆発させた。「終盤、押し込まれたけど、チームの団結力でボールの正面で守りきることができた。日常から選手たちが、努力してきた証拠だと思います」と激しい雨にも負けず、90分間走り抜いたイレブンをねぎらった。

今季初のホーム戦で主役の座を射止めたのは、吉田伊だった。0-0の同点で迎えた後半26分。縦のパスに裏から抜け出した。飛び出した相手GKをワンタッチでかわすと、最後は左足で鮮やかにゴールへと流し込んだ。「思った通りのパスが出て、キーパーが出てくるのも見えた。イメージ通りのゴールだった」と納得の表情を浮かべた。

プロ意識の高さが、後半途中出場から8分後の先制弾へつながった。「(ウオーミング)アップ中から(試合に臨む)気持ちはつくっている。練習中からも試合を想定しながらシュートを打っている」。日頃の鍛錬が決勝ゴールにつながった。「試合に出たからには、FWとして点を取るのは当たり前だと思っている」と頼もしい。

J2、2年目の今季は開幕2連敗スタート。だが、2連勝とチームは波に乗ってきた。次節(19日)はホームで金沢を迎え撃ち、J2初の3連勝がかかる。吉田謙監督は「いつも応援してくれるみなさまに、ひたむきに熱走(ねっそう)して、その姿を見ていただいて、ともに喜び合う。1戦1戦、1日1日、1分1秒、1プレー、勝つために選手たちは努力しています」と熱い言葉で締めくくった。今シーズンの秋田はアツいぞ。【佐藤究】