196センチの大型GKが、ビッグな夢をかなえた。来季仙台加入が内定している中大GKシュミット・ダニエル(4年)が16日、都内の中大多摩キャンパスで会見を行った。Jでは195センチの林彰洋(鳥栖)を抜いてGK最長身。あこがれだったユニホームに袖を通し、地元仙台で1年目からの定位置奪取を誓った。

 仙台で育ったダニエルが、この日のためにクラブ側から用意された3XOサイズのGKユニホームに袖を通すと白い歯を見せた。「小さい頃から何度も応援に行った特別なクラブに入れて最高です」。東北学院中時代には年間15試合以上を観戦。練習場にも通い、ほぼ全選手からサインをもらったという“ベガルタサポーター”が、仙台の一員となった喜びをかみしめた。

 Jの舞台を意識したのも仙台だった。高3の夏に練習に参加し、獲得オファーを受けたが「プロで活躍しなければ意味がない」と中大への進学を決意した。1年時からJ1川崎Fの特別指定選手としても鍛えられ、今年8月に再び練習参加した仙台で成長を証明。入団内定を勝ち取った。

 武器は高さを生かしたハイボール処理だけではない。「中3までボランチだった」と司令塔として磨いたキック精度も大きな魅力だ。さらにパントキックは相手ペナルティーエリアまで届き「来年からバリバリ活躍したい」と1年目からの定位置奪取に意欲十分だ。

 英会話講師を務めるアメリカ人の父と日本人の母を持ち、実家では英語が飛び交う環境で育った。それでも、アーノルド新監督と直接コミュニケーションを取るため「もっと勉強しておきます」と貪欲だ。高3の選手権予選準決勝で「僕のキャッチミスで(宮城工に)0-2で負けた」という因縁のユアスタで、ベガルタのゴールを守る-。次なる大きな夢に向かって、ダニエルが新たな1歩を踏み出した。【鹿野雄太】

 ◆シュミット・ダニエル

 1992年(平4)2月3日、米イリノイ州生まれ。2歳で来日して仙台へ。小2から八幡サッカースポーツ少年団でサッカーを始める。東北学院中までポジションは、守備的MF。東北学院高で本格的にGKに転向し、中大へ進学。1年から3年までJ1川崎Fの特別指定選手。2、3年時には、全日本大学選抜にも選出をされた。家族は両親と兄。196センチ、90キロ。血液型A。