ブンデスリーガ2部への降格から1年で1部への復帰を果たし、現在6位につけているハノーバーで、またしても身内に金を盗まれるという事件が起こった。

 ハノーバーでは約2年前にも、本拠地HDIアレーナのスタッフが、約10万ユーロ(約1321万円)を横領した罪で逮捕されているが、大衆紙「ビルト」によると、今回の舞台はオフィシャル・ファンショップ。違法賭博で背負った借金の返済に困った店長が、グッズの売上金に手をつけていたという。

 ファンショップ店長のマレク・M(仮名)被告は、約3年前から違法賭博にのめりこむようになり、これまでにも母親から1万ユーロ(約132万円)以上を借りていたことが分かっている。それでも欲求を抑えきれず賭け事に勤しみ、ファンショップの金庫からくすねた総額は計4万5630ユーロ(約603万円)という大金。しかし、ついに首が回らなくなった同被告は、いわゆる“黒い胴元”の面々から火のついたタバコを腕に押し付けられ、「家族に危害を加える」と脅され始めたようだ。

 そして2017年4月、彼は奥さん宛に別れの手紙をしたため、すべてを捨てる覚悟で逃亡を図ったというが、警察がヘリコプターとパトカーで捜索を開始したところ、あっさりと身柄確保となってしまった。

 同クラブの弁護士ベンヤミン・シュミット氏はビルト紙に対し、「彼は自分の犯罪を認め、債務名義にもサインをし、現在はセラピーに通っています」とコメントしており、当然ながらマレク・M被告もファンショップをクビになった。

 なおビルト紙によると、先月末にハノーバー裁判所へ出廷した同被告には、横領の刑事罰が科され、執行猶予付きの禁錮1年という刑が言い渡されている。